出版社内容情報
「おかげまいり」は近世日本において周期的に繰り返された,伊勢神宮への集団的な巡礼運動であり,参加者はある時は二百万,ある時は五百万に達した.交通の未発達な,旅行も制限された封建の世に,なぜ「おかげまいり」やさらに幕末の「ええじゃないか」のような民衆運動が起こったのであろうか.そこに歴史を動かす底流をみる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sk
5
近世日本の民衆解放運動としてのおかげまいりとええじゃないか。日本史の隅っこに追いやられがちな論点だがなかなか面白い。2018/11/27
takao
2
ふむ2024/04/01
Raindrop
1
全編マルクス主義史観で貫徹されているうえ、イデオロギー的な記述が充満しているため、もはや役に立たない記述が非常に多いが、それでも「おかげまいり」「ええじゃないか」について多くの史料を紹介した点は重要である。著者の主張は読み飛ばして、資料集としてみるのもよいと思う。2025/05/17
わ!
1
実は、この「おかげまいり」や「ええじゃないか」は、ほとんど予備知識がなかった。…というのも、これらの出来事には、あまり資料がないのである。ちなみに「おかげまいり」とは、伊勢講と関係深いのであるが、とにかく集団で伊勢に参りに動く民衆運動である。江戸時代に七回ほど起こり、そのうちの最後の一回が「ええじゃないか」なのである。この「ええじゃないか」というのは、その名も「ええじゃないか」というタイトルで映画になったこともあるから、ご存知の方も多いかもしれない。2013/09/06