出版社内容情報
先進諸国から貪欲に学びつつ,原始から現代まで,社会と文明を断絶することなく発展させてきた日本の歴史は,世界史の中の一異彩である.この歴史の変革の原動力はどこにあるのか.他民族との共通性また特殊性はどんな点か.独自の歴史観に貫かれた,定評ある日本通史.上巻は鎖国まで,下巻は帝国議会の開設から.
内容説明
上巻にひきつづき、鎖国から明治維新を経て近代天皇制の確立にいたるまでをあつかう。厳重な幕藩体制の下で、民衆の力はまず経済と文化をにぎり、やがて政治上にも封建制をゆるがしていく。明治維新と自由民権が私たちに与える教訓は何か。今日の日本をつくり上げた原動力を独自の歴史観によって描き出した日本通史。
目次
百姓・町人の勢力の上昇―封建社会の最後の段階
平民文化の発展―民族的文化の独創
封建制の矛盾の激化―享保・天明期の政治と社会
変革の諸要素の成長―革命と改革の予言・近代の前提
開国―封建制の危機と民族の危機
倒幕―危機からの脱出
明治維新(革命と反革命;上からの近代化)
自由民権のたたかい―民主革命と東亜連帯の結合
民権運動の挫折―蜂起・統一戦線・敗北
天皇制の完成―古代と近代の結合とその矛盾
著者等紹介
井上清[イノウエキヨシ]
1913‐2001年
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感想・レビュー
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nobody
10
唯物史観の歴史の法則にあてはめるのが最優先課題となっており、歴史は少しずつ発展していることを示さなければならず、その点とも齟齬をきたしてくるのが天皇制の捉え方である。総論的には「大日本帝国憲法を基軸として、絶対主義天皇制は国民の精神的支配の体系から経済的基礎もふくめて、あらゆる細部にいたるまで完成された。それは、電信・電話・鉄道・新聞そしてサーベル・大砲・小銃・軍艦という最新の文明の物的手段を、古代的な神聖不可侵の君主の権威と結合させ、能率的な高度の中央集権機構を以て、為政者が全国民の一人一人を、直接に、2023/01/04
かみかみ
3
鎖国~明治憲法成立まで。徳川幕府の統治の巧妙さと幕末における情勢の目まぐるしさが伝わってくる内容だった。大隈重信が結構disられているように思った。2023/12/12
ステビア
2
この巻もキレキレ。2012/12/12
テプコにゃん
1
最後の「天皇制の完成」が勉強になりすぎる2021/05/12
aki
1
歴史の教科書的な本です。何度も読み返さないと頭に入らない。2019/12/30