出版社内容情報
スパルタといえば教育を思い,アテネといえばパルテノンの壮麗な姿を思い浮べる.しかし,ヨーロッパの精神的故郷である古代ギリシアの文化を生んだポリス社会について,私たちはどれだけの知識を持っているだろうか.古代社会の本質的特長は何か,個人と社会はどうかかわり合っていたかを探り,古典古代が現代に提起する問題を論じる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズツキ
4
良く出来てます。古代社会の動向を簡潔にまとめていて得るものが多い。2015/07/05
ららら
3
古代ギリシアのポリスって、生き物とその細胞の関係みたい。個々の細胞はエネルギー(経済)的には自立しているが、活動の表出(政治活動)は生物体(共同体)として行われるのかなと。肉体的にも精神的にも優れていて節度正しく美しいカロカガティアが模範とされている点は現代に通ずるが、余暇の捉え方(レジャーとスコレー)は正反対となっており、時代背景が異なれば精神世界も異なることが興味深い。奴隷に対してもプラトンやアリストテレスは賛成してたと知り意外に感じた。労働が分業されていたからこそ豊かなしそうが発達したのだろう。2021/03/05
フカミ
1
分かりやすくて面白かった。イソップとこの本が古代ギリシャにはまるきっかけになった。
コカブ
0
「古代ギリシャ」について概観した本。王政(ミケーネ時代)→貴族が主導するポリスという流れだった。スパルタは土着のギリシャ人を移住して来た少数のドーリア人が征服したため、軍国主義で押さえつける体制となった。アテネではドーリア人の攻撃を跳ね返した。やがて軍船の漕ぎ手として必要となった下層階級も加えた民主政治が実現されたが、中小農民が借財で奴隷に転落する現象が起こった。ソロンの改革でこれを食い止めた。さらに僭主の出現も、クレイステネスが部族制を解体して従来の権力基盤を切り崩すことで食い止められた。2013/06/28
hi
0
とてもよかった。古代ギリシアといえばアテネが有名だけど,いつごろアテネが大きくなったのかなども,丁寧に描かれていて非常によかった。2012/02/01