出版社内容情報
リトアニアのユダヤ人として生まれたザメンホフは,少数民族としての悲哀と文化の混乱のうちに成長した.少年時代にすでに「国際語による世界人類の相互理解」という想念にたどりついた彼は,その後の全生涯を,人々の無理解や危険思想としての圧政者の弾圧に抗してエスペラント語の普及に捧げた.先駆者による愛と傾倒の書.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミョウガ
4
エスペラント語を発案したザメンホフの一生などを書いた本。少し古い本なので、少し古い漢字や言い回しが多かったけど、その分、今では使われないような筆者の情緒的な言い回しも含めて、すごく良かった。エスペラント語を作らざるを得なかったやるせなさも、か細いロウソクの火みたいなザメンホフの情熱も、美しくてやるせない。あらゆる母国の言葉を尊重しながらも、永遠に補助語であろうとすることの難しさも感じる。2024/12/06
旅本 泉
4
エスペラント語という名称と、人工言語として世界へ普及させようというムーブメントがあったことは知っていた。しかしザメンホフについてや、世界へ広まるまでの過程については初めて知ることばかりでした。 旧字体ながら文章も簡潔で分かりやすく、エスペラント語についての入門書といった位置付けです。2017/11/23
あんかけ
2
読み終え。ザメンホフめちゃくちゃすごい。言葉を作るのはやろうと思えば誰でもできるかもしれないけれど、それを普及させるための行いは先を見たものにしている。頭が良いだけでなく優しい。あまりにもいい人。金無いのに診察料取らないとか、イードのくだりとか。安定しそうな時期にアレはもっとキレても良かった。でも金はたまたま?義父が金持ちで全部解決しているのは徳を積んだ結果か。エスペラントそのものの面白さもあって学んだものの、作った人も壮大なストーリーがある。2024/04/07
2.5流
2
エスペラントについて書かれた岩波新書は、私の知る限り他に2冊あるが、本書はその中でも飛び抜けて理解しやすかった。ザメンホフの生涯だけでなく、エスペラントがいかに開発、普及していったか分かる良著である。本書を読み、興味を持った方は田中克彦氏の「エスペラント 異端の言語」あたりを読むと、知的好奇心を満たせるのではないかと思う。2016/11/30
Kumo
2
表題や目次からは一見ザメンホフの伝記かと思うが、黎明期のエスペラント運動史、ザメンホフを通じたエスペラント論としても簡潔かつ分かりやすくまとめてある。主観的な書き口といえばそれまでだが、エスペラント運動の機運というものが筆者の語り口に滲み出るような好著。2013/11/29




