出版社内容情報
「生きがい」ということについてはこれまで多く論じられてきたが,この言葉の本来の重い意味が風化して薄らいでしまった.著者は精神医学者としての蘊蓄を傾けて,改めてこのテーマを問い,「ひとの生涯」にとっての生きることの意味を,心のめざめ,居がい,生きがい……という風に系統的に発掘してその正体を見届けようとする.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寛生
33
【図書館】なめらかな〈文感〉ー文章の皮膚とでもいえばいいだろうか。深いものを語りかけていることは間違いないのだろうが、著者が精神科医で、意図的に、こちらの感情の起伏を波立てないように、文の感覚を工夫したのではないかーと思った。宗教、信仰が精神衛生にもいいようにいっている反面、〈ファミリー〉も〈私〉の最後の砦のように語られている。神谷もよく引用しながら議論を深めていくが、宗教や信仰を持ち出してくるならば、宗教が究極な面で〈ファミリー〉の脱構築をしてきたところなどを掘り下げてほしかった。2014/04/19
meg
23
印象的な著者の言葉。 神谷美恵子氏への言及がまた特別な様だ。 いい本。2024/11/23
yumiko doi
1
とても真面目な人な印象を受けました2024/07/27
カイザー
1
8.面白かったです。文の流れが綺麗。2014/02/18
ペミカン
0
以前読んだ「感情の世界」の心理学者の文章が胸に残っており、35年前のものをゆっくり読んだ。筆者は翌年に63歳で亡くなっているが、まさに遺言のような・・ 。いきがいには、目標へ向かう為の「行きがい」と認めてもらって安心を得る為の「居がい」がある、など豊かなタネを沢山もらった。2010/10/07