出版社内容情報
実存主義とは,「事物の存在」とは異なる「人間存在」の特有なありかたをあくまでも守りぬこうとする思想的文学的な動きをいう.実存主義を育てた第二次大戦直後の思想的状況と,実存思想の歴史的系譜を語り,ハイデガーやサルトルの思想を紹介しつつ,実存,自由,状況,他者,不安,賭,価値,神など実存主義の諸問題を論ずる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
15
実存主義についてサルトルとニーチェを多めに解説。主体的で在ること。自らの存在について意識的で在ること。古臭くカビの生えた哲学だとしても、そう在ることを是とするために積み重ねられた思考が大好きだ。意味も意義もなくただただ自由だけを与えられて呪われたまま彷徨い歩くぼくたちだけれど、そうした中でその逃れることのできない呪いに気づくことができるか、その価値に気づくことができるかということが、個々の人間にとって大きな違いになるんだろうなというぼんやりとした認識がある。選びたまえ。君は自由だ。2023/10/23
K
12
本書も復刊を遂げたようですね。『存在と無』の訳者松波氏の書籍は読んどくべきかと思い、一読。実存主義ってなに?ってところから入って、生成過程、そして実存哲学者(他称を含む)を紹介(個別で九人も!)。パスカル、シュストフ、ベルジャーエフ、ヤスパースはほぼ触れたことがなく、今後の課題図書となるだろうと思う。特にヤスパースは必ず摂取したいと思う。本書はやっぱりサルトル多め、ハイデガーもそれなりに多い印象だった。あとは、37頁の「実存主義の樹」という樹形図が新鮮だった。そして文献案内が豊富。2023/11/20
りっとう ゆき
4
実存主義ってサルトルってイメージだけど、ニーチェから繋がってる。人間は意味もなくぽつんと自由な世界に投げ出され、そして常にそこにいない次の場所、次の場所って求め続ける…そこに「在る」ことを求めて。しかしその人がその人となるのは死が訪れたときということなのか。一見個人主義的で悲観的な気がするが、例えばサルトルが支持を得たのはやはり、その自由は自分のより良き未来に向かっての自分の行動次第だってとこと繋がったからなのかな。この個の集団としての世界、政治的なところ、マルクス主義との関わりなどもっと知りたくなった。2022/04/30
さえきかずひこ
4
パスカルとデカルト、サルトルとハイデガーを対比させて、実存的な哲学の系譜を大づかみにあらわしている。文体は比較的平易だが、決して簡単な内容ではない。著者はフランス哲学が専門で、ハイデガーよりサルトルの立場をはっきりさせて説明するのは誠実で好感を持った。再刊しても良い本ではないだろうか。2016/04/09
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
4
☆×3.0…哲学というのはきっと、終わることのない「ロマン」とも受け取られるような気がします。人がたくさんいればその思想もまるで巨木のごとく枝分かれし…この本では実存、という言葉を扱っています。うん、なんとなく読んでいて分かったような気でいますが、それを言葉できちんと言い表しなさい、だなんて課題を出されてしまったら実に困りますぞ。ただしこの本に出てくる「自由」に関しての項目は興味深く読ませていただきました。確かに、と思いつつ。2013/05/27




