出版社内容情報
弁証法とは私たちが生きている現実を正しく認識し,その上に立って自分の立場をきめる科学的な方法である.こうした観点から西田哲学その他の神秘的弁証法に批判を加えつつ,マルクス主義の科学的弁証法の真の姿を明らかにする.本書の平易懇切な説明によって,読者は弁証法についての正しい指針を得るであろう.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
anarchy_in_oita
3
とりあえず科学信仰がすごい。まるで「正しいこと」と「科学的であること」が同義語であるかのようだ。教条主義/経験主義の無限の対立の中に科学的=正しい自らの認識を見出すのは勝手だ。科学的たるもの無限に議論し合っているがいい。だが、そのような安定性に欠ける理論をいきなり現実に持ち込むのはいかがなものか?世界の認識は政争の道具ではない。僕のマルクス主義を政治に持ち込むことへの批判はこのようなところだ。何を言ったところで「科学的弁証法」を盲信する人は理論の発展とやらに言い訳を見出すのだろうけれど。2020/02/13
jun
1
奥書に1973年8月20日第38刷となっているから、僕が高校生のときに買った本を実家で発見して読む。おそらく、高校生のときには難しくて読破できなかったもの。弁証法についての誤解はある程度溶けた気がする。否定の否定については、やはり何を言っているのかよくわからない。2018/10/01
takao
0
弁証法:対立の統一;単なる対立概念ではなく、2つの側面の本性のうちに全体の存在の前提がある。2017/03/12
deltalibra
0
日付不正確、再読2010/04/28
泉北
0
マルクス周辺を読む上で避けて通れぬと思い着手。結論、抽象的過ぎて具体的な説明は反弁証法への抽象的な反論のみで「だから弁証法って何なんだよ!」ってなる。ひたすらその本質から逃げ回って率直な批判を煙に撒いているだけに思えた。 対立と矛盾の絶対化を否定するのは同意できるがその弁証法的思考の先に革命を提示する著者を理解できない。2021/08/03