岩波新書
ある弁護士の生涯―布施辰治

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  • サイズ 新書判/ページ数 204p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004100584
  • NDC分類 327.14

出版社内容情報

布施辰治は,明治十三年東北に生れ,東京で弁護士となり,法廷での弁護・普選運動などに異色の活動を展開し,時の権力から“社会主義弁護士”と呼ばれた.いわゆる三・一五共産党事件の弁護をし,「法廷を騒がせた」という理由で懲戒裁判にかけられ,弁護士資格を奪われた.波瀾の生涯を伝える評伝.

内容説明

布施辰治は、明治13年東北に生れ、東京で弁護士となり、法廷での弁護・普選運動などに異色の活動を展開し、時の権力から“社会主義弁護士”と呼ばれた。いわゆる3・15共産党事件の弁護をし、「法廷を騒がせた」という理由で懲戒裁判にかけられ、弁護士資格を奪われた。波瀾の生涯を伝える評伝。

目次

1 F氏の生涯
2 F弁護士の懲戒裁判

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gtn

14
著者の父布施辰治に対する思いは複雑である。人の好き嫌いが激しく、手前勝手な父に辟易し、父と呼ばず「F氏」と称する。一方、トルストイのヒューマニズムに心酔する父に共感する。時の政府は、それを左寄りとみなしたが、父はぶれていない。信念を貫いた父を誇りにしていたことが分かる。2019/04/11

壱萬参仟縁

13
橋下徹氏には彼の爪の垢を煎じて呑んでほしいと思った。社会主義弁護士。日清戦争の頃、立身出世主義、金儲け主義が横行していく時代に、ソクラテスの正義感を尊重した(10頁)。トルストイも1904年前後、もてはやされていた時期もあった(39頁)。1923年関東大震災(65頁)。弁護士資格を奪われたようだが、弁護士は極悪人に対してすら弁護しなければならない。また、司法試験を通っても年収格差はあるようだ。現代と昔の違いはあるが、橋下氏の弁護士としての資質を本書で検証するとき、弁護士の適性とはどんな人か、考えてしまう。2013/05/29

sakesage

5
難ありの父を息子が描いた愛憎書でもある。布施辰治は戦前に非合法下の共産党事件の弁護を引受け弁護士資格を剥奪された事でも有名。関東大震災の際に、在日朝鮮人でありアナーキスト朴烈と金子文子が爆弾を所持し皇族暗殺を企んでいるとでっち上げられた事件があるが弁護を引受ける。当時関東大震災で、朝鮮人と言えば自警団により虐殺されていた時代に、朝鮮人の弁護を引受けるのは相当な勇気がいったことだろう。そんな布施辰治は、息子から見たら人格的にやや問題ありの親父。変人であることに違いない。同じ時代の弁護士山崎今朝弥と双璧だろう2024/08/16

tellme0112

2
秘密保護法、解釈改憲で集団的自衛権のことを思った。2014/05/16

mami

1
◆図書館◆2013/08/04

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