出版社内容情報
一八五一年十二月二日、大統領ルイ・ナポレオンがクーデタを起こし、翌年には皇帝につく。家族の悲劇に相次いで見舞われたゲルツェンは失意のままロンドンへ。「四八年」が日々遠のいて行く中で、革命の夢をなおも追い求める亡命者たち。支援を続けながらも、彼らを見つめるゲルツェンの目は冷え冷えとしている。(全七冊)
内容説明
一八五一年末、ルイ・ナポレオンがクーデターを起こし、翌年には皇帝となる。家族の悲劇に相次いで見舞われたゲルツェンはロンドンへ。「四八年」が日々遠のいていく中で、革命の夢をなおも追い求める亡命者たち。彼らを見る目は冷え冷えとしている。
目次
第五部 パリ、イタリア、パリ(承前)(一八四七‐一八五二)(家庭の悲劇の物語(承前)
ロシアの影)
第六部 イギリス(一八五二‐一八六四)(ロンドンの霧;山々の頂;ロンドンの亡命者たち;二つの裁判;“無罪”;ロンドンにおける亡命ポーランド人)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
44
憧れの地、フランスの掌返しな市民の自由主義に失望し、先にスイスに亡命したゲルツェン。しかし、後で合流する筈だった母と息子は海の藻屑と化してしまう。亡骸さえも見つからない状況を嘆く沈没被害者達の様子の筆致は胸を掻きむしるような痛ましさを伝えてくる。更に追い討ちを掛けるのはイェルゲン一家の、恩を仇で返す様な粘着攻撃(+何も知らない外野の参戦)だった。亡き子供をも侮辱する書簡に病床にいても優しいナターシャが遂にキレる!一方、その後、フランスを捨て逃げた文化人に対してのゲルツェンの毒舌と皮肉は相変わらずだった。2025/02/14
roughfractus02
9
パリからロンドンへの1850-60年代を納める本巻は、著者が革命概念と実践の再生をかけた時期である。自由を掲げながら妻とその愛人に嫉妬する著者との関係で衰弱した妻が家族の事故死に耐えられず亡くなると、著者はロンドンに隠遁する。祖国も家族も失い、反動化する民衆と独裁が跋扈する大陸をドーヴァー海峡の向こうで知る著者は、敗走する大陸の仲間の悲惨な報を記し亡国の徒らを非難する。一方、手紙も届けられないロシアの仲間に印刷物で音信を取るため印刷所を設立して雑誌「北極星」を刊行し、本書の執筆を開始したことも明かされる。2026/03/20




