出版社内容情報
一八四八年六月、革命後のフランス臨時政府による民衆への大弾圧が起きた。血塗られたツァーリの暴虐を遥かに超えるパリの惨劇は、ゲルツェンの思想を新しい境位に導く。専制支配はペテルブルクだけではない、ここにもある。かくてして西欧への幻想は消えた。亡命後のゲルツェンを大きく揺さぶる出来事が続く。(全七冊)
内容説明
一八四八年六月事件―ツァーリの暴虐を遙かに超えるフランス臨時政府の大弾圧。血塗られた「花の都」パリの惨劇は、ゲルツェンの思想を新しい境位に導いた。専制支配はペテルブルクだけではない、ここにもある。かくてして西欧への幻想は消える。
目次
第34章 西欧へ、パリへ
第35章 共和国の蜜月
第36章 フランスの四八年革命
第37章 ジュネーヴの亡命者たち
第38章 スイスの亡命者たち
第39章 財産の救出
第40章 スイスの市民権を求めて
第41章 プルードン
第42章 荒野に鳴く牛の声
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
46
憧れの地、パリに辿り着いたゲルツェン。ところが王政ではなく、人民によって素晴らしい統治がなされていると思われていたパリは理想郷ではなかった。更に王政復古に伴う大虐殺によってパリの人々もロシアと変わりなかったと悟るのだった。更に友人として援助していた芸術家、イェルゲンとの確執も描かれる。このイェルゲンは繊細さ故に人の好意に胡座を掻いて寄生するが自身の欠点を指摘されると執念深い攻撃を仕掛けるという、非常に関わりたくない人物として明かされる。更にイェルゲンの妻、エマは夫の駄目な部分を助長させる様な女性だし…。2025/01/05
ケイトKATE
26
家族を連れてロシアと決別したゲルツェンは、民主化の最先端を行くフランスへ向かったが、1848年6月のパリで臨時政府による大弾圧を目撃する。パリでの弾圧から逃れジュネーヴに到着したゲルツェンは、後にイタリア統一の立役者となるガリバルディとマッツィーニと出会い交流を深める。4巻では、さらに社会主義の祖とされるプルードンや少しだがツルゲーネフが登場してゲルツェンの交流の広さに驚かされる。根無し草状態のゲルツェンだが、国を超えて同時代の知識人たちとの交流に羨望を感じてしまう。2026/03/31
roughfractus02
10
民意による共和制の崩壊を1848年のパリ二月革命以後に見た著者はヨーロッパへの信頼に訣別し、ロシアからの亡命者として生きることを選択する。一方、革命概念は既成の道徳自体の革新の実践へと展開し、夫婦、家庭の新たな形を模索していく。が、新しい愛との形を夢想しつつ妻とその愛人の情事に嫉妬でしか反応できない自分に苦悶する著者は、革命概念の崩壊を家庭の崩壊に実感する。イタリアの友人らが革命を期待したローマの共和制も崩壊して幻滅に沈む50年代、ロシア自身の革命を思い描き始める本巻では、著者の思想的対話が深みに向かう。2026/03/19




