出版社内容情報
ニコライ一世治下のロシアはその帝政史上、言論統制の最も厳しい時代だったが、皮肉にも、思想の世界には稀に見る豊穣な果実をもたらした。「西欧主義」と「スラヴ主義」という二大潮流が生まれたのである。流刑先から戻ったゲルツェンは、両者の間で繰り広げられた激しい論争で、主役の一人であった。(全七冊)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
48
ニコライ皇帝統治期をクソ味噌に貶すゲルツェンだが、皮肉にもその圧政への反動か、西欧への憧れ(西欧主義)と国内を興隆させる運動(スラヴ主義)が起こる様になったのである。ゲルツェンも様々な人々と交流を深めるがプライベートでは父、恩人、生後間もない我が子、更に妻の弔事が続いたのだった。だが妻の死を伝える一文迄への一周り、小さなフォントで書かれた妻の死までに何が合ったかで怒りの余り、白目を剥く私。おい、ゲルツェン、この莫迦野郎!体力も回復せずに我が子を喪って心身ともに打撃が大きい女性に身勝手で最低な事しやがって!2024/09/21