出版社内容情報
ニコライ一世治下のロシアはその帝政史上、言論統制の最も厳しい時代だったが、皮肉にも、思想の世界には稀に見る豊穣な果実をもたらした。「西欧主義」と「スラヴ主義」という二大潮流が生まれたのである。流刑先から戻ったゲルツェンは、両者の間で繰り広げられた激しい論争で、主役の一人であった。(全七冊)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
48
ニコライ皇帝統治期をクソ味噌に貶すゲルツェンだが、皮肉にもその圧政への反動か、西欧への憧れ(西欧主義)と国内を興隆させる運動(スラヴ主義)が起こる様になったのである。ゲルツェンも様々な人々と交流を深めるがプライベートでは父、恩人、生後間もない我が子、更に妻の弔事が続いたのだった。だが妻の死を伝える一文迄への一周り、小さなフォントで書かれた妻の死までに何が合ったかで怒りの余り、白目を剥く私。おい、ゲルツェン、この莫迦野郎!体力も回復せずに我が子を喪って心身ともに打撃が大きい女性に身勝手で最低な事しやがって!2024/09/21
ケイトKATE
19
刑期を終えたゲルツェンだが、度々警察から監視され皇帝ニコライ1世や役人たちへの批判は容赦ない。この時期、ゲルツェンはベリンスキーやチャアダーエフ、グラノーフスキーといった世代の近い知識人とを深めていく。正直言うと、私はゲルツェンと交流する知識人(思想家)たち全員初めて知ったことや勉強不足のため、西欧派とスラヴ派の論争について行けなかった所がある。3巻を読んで、ゲルツェンとロシアの距離が、ますます離れていっているような気がした。2026/02/20
roughfractus02
10
ペテルブルクで内務省の職に就くが警察官の犯罪の噂を流した廉で再び流刑になる著者は、監視の中でニコライI世の統治の末期症状に気づく。本巻はピョートル大帝の敷く貴族のみの欧化政策を純化して辺境の正教よりカトリックを信奉し保守勢力を強化を訴えるヨーロッパ主義と、ナポレオン戦争での勝利以降高揚した国民性を元に既成権力の打倒を唱えるスラヴ主義との論争が激化する40年代を描く。著者はロマノフ王朝の農奴制以前の農村共同体にスラヴの本質を見出すと共に辺境を脱しようとするヨーロッパ主義との止揚を構想しつつロシアを脱出する。2026/03/18
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