出版社内容情報
古代から近代に至る倫理思想の展開を描く和辻の主著.本巻で扱うのは,戦国時代から江戸中期,伝統の破壊と新たな身分制社会確立の時代.戦国大名の家訓に見える武士の道義観,キリシタンの伝来と弾圧,幕府の儒学奨励,中江藤樹・熊沢蕃山・伊藤仁斎等の民間儒学など,変動の時代の倫理をつぶさに読み解く.(注・解説=木村純二)(全4冊)
内容説明
古代から近代に至る倫理思想の展開を描く和辻の主著。本巻で扱うのは、戦国時代から江戸中期、伝統の破壊と新たな身分制社会確立の時代。戦国大名の家訓に見える武士の道義観、キリシタンの伝来と弾圧、幕府の儒教奨励、中江藤樹・熊沢蕃山・伊藤仁斎等の民間儒学など、変動の時代の倫理をつぶさに読み解く。
目次
第5篇 後期武家時代における倫理思想(武士的社会の再建;戦乱の間に醸成せられた道義の観念;キリシタンの伝道と儒教の興隆;江戸時代前期の民間の儒学;献身の道徳の伝統としての武士道)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぴこ
6
三巻は戦国時代から江戸時代初期までを扱う。戦国時代を通じて新しいタイプの高貴性を重んじる武士の道徳が醸成されてきたことと、仏教勢力や新興のキリスト教の危険性が認識されたことによって、江戸時代に儒教(朱子学)は官学となった。山鹿素行らの民間儒学は支配層に採用されて士道を形成したが、「献身の道徳としての武士道」は民衆、町人、下層武士の間で根強かった。武士道と士道の差異と共存。主君への絶対的献身それ自身を美徳だとする風潮は、現代まで残ってるのではないかな。2015/06/27
R
2
中世後期の武士の思考様式から江戸時代前期の代表的な思想家たちの紹介。戦国時代の競争の中での思考様式と,他国との激しい争いに勝ち抜くための統治のための道徳が江戸時代にはマイルド化される。そのために採用されるのが儒教。キリスト教は割って入れなかった。個人の思想よりもどう統治するかが重要だった。2021/01/31
那由田 忠
1
江戸幕府の官学たる朱子学、キリスト教や仏教、神道、古学、国学がどのようにせめぎ合って江戸の思想を形成し、明治維新革命をもたらしたのか。その背景が武士の倫理思想のあり方と町民思想、垂加神道との関連から見えてくる。四巻が待たれる。 2012/01/04
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