岩波文庫
狐物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 345p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003750148
  • NDC分類 951
  • Cコード C0198

出版社内容情報

12世紀のフランスで,長い年月にわたって異なった作者によって書き足されてゆき,今日まで広く読みつがれてきた悪狐ルナールの物語.宮廷の様子,商人や農民たちの暮らしなど,当時の社会が生き生きと描かれる.

内容説明

12世紀後半のフランスで、異なった時期に異なった作者によって作り足されて成った悪狐ルナールの物語。狼イザングランとの闘争を中心に、宮廷の会議の様子、商人や農民たちの暮しなど、当時の社会が生き生きと描かれる。その流行はヨーロッパ各地に及び、数多くの「狐物語」が生まれた。ゲーテの『ライネケ狐』もその流れを汲むもの。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

116
12世紀後半フランスで異なる作者によって枝篇が作り足されてきた悪狐ルナールの物語。相手を騙すことを試みた結果、人間や犬に追いかけられるオチがつく基本構造は概ね共通しており、それぞれ前出の挿話を巧みに発展させていてムラはさほど感じさせない。力関係的に上の相手が機知でやり込められる点も然りで、まさに元祖悪漢小説。人間生活がリアルに描かれ、社会や文学が風刺・パロディ化されて動物社会に反映されているので、中世人の気質や価値観も窺える。勢い余って完全に人間的に振舞うことも多々。性関係は最大の関心事らしくネタが頻出。2022/08/13

壱萬参仟縁

9
中世では本と言えば宗教書、信仰の対象だったという(26頁)。シジュウカラとは、漢字で四十雀と書くのは知らなかった(190頁~)。「立派な人が嫌われ、最も忠実な者が最も非難されるのです。真実を言う者がばかにされ、多くの正直者が廃嫡され、不当にも国を追われました。嘘つきが一番力が強いのです」(218頁)。現代も似たような偽善者が多い。とても残念である。2013/04/28

ラウリスタ~

3
大学の授業で12世紀の古期フランス語をやり始めたので、そこで名前を聞いたので読んでみました。へぇ、アーサー王のパロディか。本が修道院とかで筆写されていた時代にこんなふざけた小説がよく生き残ったなと。後半はクライマックスとしていいところで何回か生き残っていたりしていたので、そこが体系的に作られたものではないことを感じさせる。2010/04/19

Kanou Hikaru

1
本棚の整理中・・・ 友人・知人に紹介したい本

コマイヌ

1
民話である分覚悟していたけど本当に面白くなかった、一番面白かったのは成立の経過の説明だった。2015/05/24

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