出版社内容情報
「確かに私はあらゆる女性に愛される、あなたは別だが」──アラゴンの貴族クローディオーとメシーナの知事の娘ヒーローは、互いに好意を寄せる仲。ベアトリスとベネディックは、会えば必ず激しい舌戦。シェイクスピア喜劇、屈指の機知溢れるやりとりで、二つの対照的な恋を描く。その台詞の躍動感をいきいきと正確に伝える新訳。
内容説明
「確かに私はあらゆる女性に愛される、あなたは別だが」―アラゴンの貴族クローディオーとメシーナの知事の娘ヒーローは、互いに好意を寄せる仲。ベアトリスとベネディックは、会えば必ず激しい舌戦。二つの対照的な恋を機知溢れる言葉で描いた、シェイクスピア唯一の純正な恋愛喜劇。台詞の躍動感をいきいきと正確に伝える新訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lily
90
涙で濡れて真心があらわれたいよ。シェイクスピアに求めることは酷かな。韓ドラの脚本の方が愛の力もユーモアも涙の量も勝ってしまうけれど、比較対象が豪勢なことに喜ぶべきだね。感謝、感謝!2021/05/01
藤月はな(灯れ松明の火)
79
ベネディックとベアトリスのツンデレ同士の毒舌炸裂は『高慢と偏見』のダーシーとエリザベスを思い出す。何度、「早よ、爆発しろ」と思ったか…。だからこそ、余りのもどかしさと両者の無自覚の為、壁に徹しられずに手を出してしまう周囲と両者の単純さに笑ってしまった。一方、すんなりいくようで奸計で二転三転したクローディオーとヒーローの恋路。ちゃんと確証を取らずに一方的にヒーローを罵るクローディオーと従姉妹を侮辱されて恋人に仇討ちを頼むベアトリスにドン引き。本当にロミオとジュリエットみたいな結末にならなくて良かったよ…。2020/06/28
色々甚平
5
舞踏会を舞台にしたラブコメ。各々の思惑が動いて起こるサスペンスの要素が中心で動くが、メインはツンデレなのか、嫌い嫌いと言っていた二人をくっつけようと嘘の好意を吹き込まれてあっさりと傾いていく皮肉屋たちの姿。最後も謀略の犯人たちを吊るし上げることで終わるのではなく、新たなカップル誕生を出来た祝いで大団円を迎える。非情なサスペンスの冷たい要素と反発し合ってた同士がくっついていくむず痒くも温かい要素の2つが混在する喜劇。2022/05/13
Tenco
3
シェイクスピア唯一の純正な恋愛喜劇……喜劇なのか。悪役のドン・ジョンならいざ知らず、みんな唐突に余計なことを思い付きすぎだと思った。そしてクローディオー、ドン・ペドローとヒーローが良い感じになるのは手はず通りだろ!なんでジョンの言葉に揺らいでんだよ。てかそんなに心配なら最初から自分でいけよ!そういう風習でもあるのか?一体何を考えてるんだ!?って突っ込まざるを得ないから喜劇なのか?もうワケわからん。ベアトリスのツンツン具合が可愛かった。2020/06/26
バニラ
1
他の訳も読んでみよう。訳注をたくさん知ればより深く楽しめる。2020/10/11