出版社内容情報
「子規は死ぬ時に糸瓜の句を詠んで死んだ男である」。畏友の死について漱石はそう書いた。病の床から見える糸瓜棚。子規はその風情に己を重ね、昵懇の想いを寄せる。子規が死の直前まで折々に書きとめた日録。喜怒哀楽を筆に込め、命旦夕に迫る心境が誇張も虚飾もなく綴られる。直筆の素描画を天然色で掲載する改版/カラー版。
内容説明
「子規は死ぬ時に糸瓜の句を咏んで死んだ男である」。畏友の死について漱石はそう書いた。病の床から見える糸瓜棚。ぶらりと下がるその風情に、子規は己を重ね、昵懇の想いを寄せる。子規が死の直前まで折々に書きとめた日録。改版カラー版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
74
食べた物を記載しているのですが、「結構、食べ過ぎているな・・・」と正直に驚いた。それは私が「正岡子規氏=病の中で句を詠んだ人」という悲しげなイメージしか持っていなかったからだ。でも実際は死の直前まで新聞へ随筆を掲載したり、スケッチしたり、友から送られた澱粉粉を種類ごとに顕微鏡で観察したりと活動的な人だった。この本を読んで改めて正岡子規像のイメージを改めさせられました。看護しているおりつさんへの気の利かなさへの愚痴に苦笑。だが、「死ではなく、そこに至るまでの苦が恐ろしい」という部分へは共感で胸を突かれる。2022/08/14
涼
59
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/07/post-0bac9a.html 病床にありながらかなりの大食漢です。時折「食べ過ぎた」などという語も見えるくらいに。そして、結構グルメなのです。2024/07/04
yama
57
いわば正岡子規の「病床ブログ」。寝返りもできずに仰向けに臥したまま、筆でもって紙に書き連ねた俳句と水彩画や雑記など。日付は明治34年9月2日から翌年7月29日まで(命日は9月29日)。快食快眠快便とは程遠い、過食、不眠、下痢の日々の雑想が赤裸々に綴られる。「雨の日や皆倒れたる女郎花」「人問わばまだ生きて居る秋の風」「枝豆や病の床の昼永し」など、死を目前にしての悲哀に満ちながらも、只々病床で今を生きるという強い意思の感じられる句が多数ある。自殺願望を吐露したり、中江兆民の『一年有半』の内容が浅薄なことに→2026/03/30
chanvesa
32
包帯を取り替えるという記述がよく出てくる。『病床六尺』でもそうだが、この『仰臥漫録』でも同じだ。「(横腹の痛みを確認するため)ほーたい取替のときちよつと見るに真黒になりて腐りいるやうなり(96頁)」は強烈だ。やがて自殺願望の表現が現れる。「死は恐ろしくはないのであるが苦が恐ろしいのだ(110頁)」何て恐ろしい思いだろう。ご飯やお粥を3膳も4膳も食べ、うなぎを7串食べるのは、病苦との戦いのための燃料なのだ。妹の律への愚痴の一方で、自身の誕生祝いのために料理屋にご馳走を頼む際に彼女達の分も誂える優しさ。2022/12/03
みつ
31
新聞連載の随筆『墨汁一滴』の直後の時期に書かれた日記。糸瓜など多くのスケッチも収録されている。「蜂の巣のごとく」(p117)身体中に穴があき、寝返りも打てないほどに病状が悪化したこの時期に残された僅かな楽しみである食事、そしてその当然の結果である排泄について執拗なまでに綴られていく。随筆と比べても、自らの病状について綴った中江兆民の『一年有半』も一刀両断する(p117)ほどに、悲嘆が生々しく出ている。今のような制度がない中家族の介護も想像を絶するものがある中、妹律を「強情」で「冷淡」と悪罵をつきつつ、➡️2023/11/06
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