内容説明
荷風の俳句は、市井風流に生きた隠逸の高士が感じ得た頽廃美、寂寥感、艶麗な情緒、溢れるばかりの季節感、江戸生活への挽歌が、近世俳諧の伝統を踏まえて詠まれている。俳句の他、狂歌、漢詩、江戸音曲を集成。俳人荷風の全貌を捉える。
目次
自選荷風百句
俳句
狂歌
小唄他
漢詩
随筆
写真と俳句
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NKZENO
2
昭和初期の玉ノ井辺りの写真と俳句を読むと、荷風と散歩しているようだ。 俳句も読みやすくわかり易い、そして美しい。この人は江戸時代の旦那衆だとか楽隠居になりたかったんじゃないかと読みながら思った。 荷風ほど人格が悪く言われる作家もいないけれども、その優れた審美眼が作品を不世出のものにしているのだろう。2014/10/04
大臣ぐサン
1
俳句とか短歌とか、正直いくら読んでもよく理解できんのだが、写真付きの俳句が新鮮。当時の風俗が見えて、ちょっと物悲しくてなんだかドキドキする。俳句じゃないが、随筆の「雪の日」がグッと来た。冬の帰り道寄り添う少女。んー、淡く、甘く、そして儚い恋の記憶よ。2013/05/16
ポレポレ
0
作家 永井家風の俳句を中心に狂歌・小唄・漢詩等を収録。自作し、また先人の作品を換骨奪胎できるほどの教養と傾倒に驚かされる。まさに「文人」。 ★★★☆☆2024/03/21