出版社内容情報
日本ではあまり知られてこなかったスペイン文学の豊饒な世界を案内するハンディーな文庫版文学史.全体を二部構成とし,I「スペイン文学の動向」では文学史の流れを簡潔に概説し,II「主要な作家と作品」では,セルバンテス,ケベード,カルデロン,ガルシア・ロルカその他にスポットを当て,それぞれの特色と魅力をわかりやすく伝える.
内容説明
スペイン文学の豊饒な世界を案内する文庫版文学史。全体を二部構成とし、「1 スペイン文学の動向」では、文学史の流れを簡潔に概説、「2 主要な作家と作品」では、セルバンテス、カルデロン、ガルシア・ロルカ等々の魅力と特色をわかりやすく伝える。
目次
1 スペイン文学の動向(中世の文学;黄金世紀の文学;十八世紀の文学;十九世紀の文学;二十世紀の文学)
2 主要な作家と作品(中世;黄金世紀;十八世紀;十九世紀;二十世紀)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
37
中世から二十世紀までのスペイン文学を紹介している。前半は時代毎にまとめられた文学史、後半は各時代における作品を取り上げて解説するという作りになっている。題名に偽りなく、丁寧で初心者にも優しい一冊だった。それにしても紹介されている本で、読んだことのあるのは『サラマンカの学生』ただ一冊だった。せめて『ドン・キホーテ』くらいは読んでみたいなあ。スペイン語文化圏では近年ではラテンアメリカの諸作品があまりにも有名すぎるが、スペイン自体も豊穣な作品が溢れていて、色々読んでみたいと思わせられた。また読みたい本が増える。2013/05/16
壱萬参仟縁
7
発音は親しみあるスペイン語文学。叙事詩は創造的要素と史的事実が融合(25頁)。グラシアンは17世紀の人で、頭脳明晰なるも気むずかしい。人生は戦いであり、困難や逆境に対処できるよう、冷静に慎重に行動することが人生の勝利法としている(68頁)。知識は正しく生きるための教えにすぎない(190頁)とはサンデル教授をも想起する指摘か。ピカレスク(悪漢)小説は慶應通信のテキストを想起。事例の奇知主義(コンセプティスモ)は知性の刺激(231頁)。好漢でありたいが。20世紀のリャマサーレルのところで孤独の堪え難さがある。2013/04/06
シンドバッド
5
著者が触れている、急逝した牛島信明さんの構想の文学案内を読みたかったが、本書も、見事な構成である。14世紀前から現代まで、よくぞここまで!!というのが一番の感想。そして、私の読書意欲を高めてくれることに感謝!!主要参考文献の翻訳を、どこまで読めるだろうか?愉しみ!!2013/04/10
KAZOO
5
やはり岩波文庫の文学案内の最新刊だと感じました。非常に参考になる章立てとなっています。前半は中世から内戦後までの文学の通史、後半は主な作家とその作品が通史と同じように中世から紹介されておりその作品論が展開されています。スペイン文学というとあまりなじみがなく、ここに掲載されているもので私が読んだものは「ラサリーリョ・デ・トルメス」と「ドン・キホーテ」のみでした。これから消化された作品を少しでも読もうかな、と思っています。それと参考文献と索引が非常に充実しているので入門書以上の感じがしました。2013/03/05
たか
4
フランス、ドイツは読んだから今回はスペインを。2018/10/19