出版社内容情報
1848‐49年の反革命の直後,同じ運命に終結した約300年前のドイツ農民戦争を分析批判し,そこから当時の革命のための教訓と力づけをなしたもの.革命勢力としての農民の意義を側面から明らかにした点,唯物史観の立場を具体的な歴史の叙述に適用した点において,マルクスの「ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日」と双璧をなす.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TAMON BOLIVAR
1
1848年-49年の反革命という現実を受け入れたエンゲルスが、同じような運命を辿ったドイツ農民戦争を批判的に分析した良書。 ドイツ農民戦争失敗の1番重要な理由として、革命勢力である農民が勢力をまとめることができなかったこととしている。2023/07/16
ギトン
0
「マルクス主義の古典」とされ、エンゲルス自身序文で「これが唯物史観だ!」みたいなことを言っているが、内容は「唯物史観」の公式を大きく超えるもので、現在でも、宗教改革時代の社会史として定評を失っていない。ただ、訳文については、本書の大内力訳は読みにくいと思う。新潮社版「マルエン全集」第10巻と比べ読みしたが、新潮社版の藤原長坂訳のほうが日本語としてこなれており、しかも社会経済史用語として適切な訳語(例えば「局地的」←→×「地方的」)を使用している。2023/12/27