出版社内容情報
十九世紀のイギリスを代表する経済学者・哲学者ミル(一八〇六‐七三)は,また名だたるフェミニストでもあって,人類の半ばを占める女性の人格的完成をさまたげている政治的・社会的障害をとりのけ解放することは,すなわち人間の解放に他ならない,と情熱をこめて主張した.くり返し立ちかえって読むに足る女性解放のバイブル.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりお
28
男性による女性の慣習と支配、女性に不利な結婚、政治の職の独占、男女が共に平等な立場である場合について。女性の圧倒的劣等な地位からの解放と向上を、この4章から示す。今まで女性に男性と同等の教育を施さないことが、男性から勝手な不利な立場を植え付けられる原因の1つとなった。現代では男女共に教育を受ける。しかし古い慣習は深く根付き、まだ不平等を感じる。長い年月蔓延る不平等を無くすには、長い時間が必要なのだろうか。2017/01/11
恋愛爆弾
21
面白かった。だが、やはり女性の解放は社会の為でなく、あくまで女性個々人の為にあるべきではないか。2021/10/02
Nobuko Hashimoto
21
約150年前(1869年)、女性に参政権がなかった時代に、権利のみならず能力についても男女の平等性を主張した画期的な本。なのに、残念なことに、実にタイムリー。さすがに先進国においては女性参政権は確立されたが、実情はまだまだ… ミルの主張は愉快、痛快、明快。一刀両断過ぎて吹き出してしまう箇所もたくさん。論理的、クリティカルに考える訓練にもなる。月イチ書評連載で取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201870 2021/03/05
CCC
11
主張は現代の一般的感覚に近い。が、法令などの具体的な話が強力だった。例えば昔は夫殺しは火刑。国王への叛逆よりも厳しい罰を受けた。離婚は不可。財産権も無しである。2017/11/22
読書実践家
8
「鉄のカーテン」という表現が出てきて驚いた。チャーチルは引用したのか、オリジナルだったのか。専制体制が女性を縛っていた部分はあったのだろう。2015/12/30