岩波文庫
自由論

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003411667
  • NDC分類 133.4
  • Cコード C0131

出版社内容情報

イギリスの思想家ジョン・スチュアート・ミル(一八〇六―七三)の代表的著作.言論の自由をはじめとして,社会生活における個人の自由について論じ,個人の自由の不可侵性を明らかにする.政府干渉の増大に対する警告など今日なお示唆を与えられるところ多く,本書をおいて自由主義を語ることはできないといわれる不朽の古典.

内容説明

イギリスの思想家ジョン・スチュアート・ミル(1806‐73)の代表的著作。言論の自由をはじめ、社会生活における個人の自由について論じ、個人の自由の不可侵性を明らかにする。政府干渉の増大に対する警告など今日なお示唆を与えられるところ多く、本書をおいて自由主義を語ることはできないといわれる不朽の古典。

目次

第1章 序説
第2章 思想および言論の自由について
第3章 幸福の諸要素の一つとしての個性について
第4章 個人を支配する社会の権威の限界について
第5章 適用

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェルナーの日記

125
基本的に著者・ミルはベンサムの唱えた功利主義の擁護者で、本書においても功利主義的思想が表れている。功利主義といっても提唱する者によって違いがあるが、概ね”the greatest happiness of the greatest number”(最大多数個人の最大幸福)を追求するものであり、見方を変えば『最大多数の幸福のためならば、少数の不幸はやむ得ない』とする思想に行き着く。つまりmajority(多数派)の幸福のためならminority(少数派)が不幸になっても仕方がない』ということになる。2016/11/06

(haro-n)

78
難解なところがあったものの読了。ミルの考えは、他の誰にも損害や迷惑を与えなければ、個人は何ものにも束縛されず自由である、というものだが、少数派への配慮を然るべきとしている。また、多数派の同調圧力や慣習的な行為による個人の自由への侵害の危険性について言及するなど、個人の自由を実現し維持することの困難さと重要性をも考察している。宗教や官僚組織、当時の一般的な親・教育等、個性や自発性を損う危険性のある問題が具体的に説明してあり理解を助けてくれた。岩波の訳は難解らしいので、光文社の訳で再読したい。何度も読みたい。2019/02/28

かわうそ

49
人間の理性は取るに足らないものだということでしょう。つまり、常に意見には可謬性が付随していると考えるべきで、反対意見にも耳を傾けることが必要であるいうことです。でなければ、人間の特有の誤りを正すことができるという能力を活かすことができないのです。その能力は人間が不完全な状態であるときはいつも人間を助けてくれるものなのですから、その能力を使える状況にしてあげることが必要になり、そのために多様な意見の担保が不可欠です。カントの『啓蒙とはなにか』における理性の公的使用の議論に近いものがあります。2023/01/11

かわうそ

47
序論で語られている通り本書で扱う自由とは意思の自由ではなく、社会と個人がどのように折り合いをつけるかという意味での自由なのです。社会と個人という観点から見れば当然、法律と世論が重要な論点になってくるわけです。世論は静寂を求めるものであり、その時代の世論にとっては当たり前でも後世から見たら奇妙に思えることも多い、でも実際は当たり前と真実はかけ離れているのですから当たり前に対する反論などが認められないとなると問題が発生するんですね。人間の武器は誤りを正すということならば当然可謬性が想定される必要があります。2023/07/08

シュラフ

30
個人は、家族・地域社会・学校・会社・国家など様々な共同体の構成員として生きていく。個人の欲求は"自由に生きる"ということ。それでは共同体は個人の自由というのをどこまで認めるべきなのかというテーマ。共同体は時として間違った判断をくだすことがある、とミルは言う。古くはソクラテスやキリストの例もある。抹殺してしまった少数意見こそが実は真理であった、とすれば取り返しがつかない。だからこそ共同体における意見の多様性の尊重は必要であり、多数派の専制というのは危険というべきである。"共同体という病"に陥らないこと。2016/03/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7194
  • ご注意事項