出版社内容情報
第二次世界大戦下、世界各国の外交戦の全貌を描いた一大記録。下巻には,ポツダム会談、日本の降伏までを収める.(全2冊、解説=井上寿一)
内容説明
第二次世界大戦の勃発から終結まで、アジアと欧洲に亘って展開された国際外交の全体像を詳細に描く。外交官から政治家に転出、戦後は首相を務めた著者は、優れた外交史研究者でもあった。国際政治への透徹した分析と、今後の日本外交が学ぶべき教訓と途が提示される。下巻には、日米開戦に至る過程から、日本の降伏までを収める。
目次
アメリカの最終提案
日米開戦の幕切って落さる
日本緒戦に勝つ
アルカヂア会議
米英はドイツに迂回作戦をとる
ナチス・ドイツの新秩序
大東亜共栄圏の構想と実態
枢軸軍敗退の色濃し
中華民国と世界大戦
世界平和機構の問題〔ほか〕
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Francis
14
下巻も上巻同様とても詳しく、丁寧に書かれている。特にナチス・ドイツの欧州支配の有様、日本のアジア諸国占領の有様、ヤルタ、ポツダム会談の様子などが詳しく描かれており、現代でも通用する第一級の資料と言える。なぜこの本がもっと早く文庫化されて一般に普及しなかったのかが惜しまれる。著者の芦田均さんに心からの経緯を捧げたい。2022/11/19
Happy Like a Honeybee
7
芦田均が病と闘いつつ、読書階級へ綴った警世の一冊。満州事変からポツダム宣言まで、偶然の積み重ねが歴史となっている。日本軍南進を巡り、米英の温度差。北方領土に対する秘密協定。リーダーが不在のまま、内閣ばかりが変わる日本。軍閥と無力な外交官を生み出した背景とは?第三次世界大戦の火種が燻る現代に、この書物から学ぶことは多い。2016/06/19
CCC
5
当時の日本の当事者でここまでまとまった文章を、情緒的にならずに書ける人がいたというのが驚きでした。海外の著述家にも引けを取らないと思います。2016/10/05
くらーく
3
やっと読み終わった。もう、頭の中には残らないけど、一通り目を通した。下巻はアメリカとの開戦から、日本が降伏するまで。いやー、辛いね。どんどんと選択肢が少なくなる中、どうしてここで決断しないかなあ、などと思いつつ、いつまでも様子をみて、もう駄目だろうとなった時に、陛下の主導によって何とか終戦(敗戦)へ。全く、様子をみて雰囲気で動いて、自ら決断して行動出来ないのは、今も変わらずよのお。外交に関して言えば、情報は入っても、適切に処理できず都合よく解釈し、結局事なかれ主義だわな。当事者は頑張ったのかもしれないが。2022/12/17
本命@ふまにたす
3
太平洋戦争の開戦から日本の終戦までの時期の第二次世界大戦の流れについて述べる。著者は戦後の首相として知られるが、法学博士として研究者の側面も持っており、叙述はやや硬めで教科書的な印象を受けた。2022/08/15
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