出版社内容情報
彼らの達成した業績は,あの無数の暴力と愚昧な行動なしには達成されなかったか? 全く疑いもなく,それなしに達成されたはずである-アメリカの独立を支持したバークが,過激化するフランス革命を弾劾する.(全2冊)
内容説明
彼らがこの権威の奪取のために行った無数の暴力と愚昧な行動を免責するためには、彼らの成果が、それなしには到底達成されなかったことが立証されねばならない。全く疑いもなく、それなしに達成されたはずである―ジョージ三世の専制に反対し、アメリカの独立を支持したバークが、過激化するフランス革命を弾劾する。
目次
フランスの貴族階級
フランスの聖職者の悪徳は没収の原因ではなかった
旧体制下の聖職者の悪徳は没収の口実とはなりえない
近代のフランス聖職者の評判
新しい教会体制の無政府状態
それと比較されたイギリスのプロテスタント教会政策
無神論者の狂信
没収の政策と保存の政策との対照
彼らの精神
政治手腕ないし叡知の欠如〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒナコ
11
フランス革命勃発の翌年である1790年、フランスのリベラルな貴族に向けて書かれた書簡という形式で書かれた、保守主義の開祖とされるバークによる革命批判の書。→ 2022/10/25
冬至楼均
0
その見識は恐るべき。特に将来の軍事独裁政権の誕生を予想した点に至っては。(皇帝ナポレオンの誕生まで生きていればもっと高い評価を得ていただろう)2013/05/14
マウンテンゴリラ
0
文章の読みづらさはさておき、全体的な主張には共感できる部分が多かった。立法、行政、司法のバランスや、軍隊の指揮系統における権威等が、フランス革命によって崩壊したということについて、事実に照らして全く正しかったとは言えないにせよ、その後の国の混乱を招いた原因であることは間違いないような気がする。民衆の権力への反感を原動力とし、体制の打倒を主目的とした改革は、長年にわたって自国民が築き上げた制度への信頼と保守の精神を過度な熱狂によって忘却させるという点で、現在の日本の状況に酷似しているとも感じられた。2012/05/09
オペラ座のカニ人
0
8月末に読み終えたあと、鹿島茂さん解説のルイ16世、佐藤賢一さんの小説フランス革命1から4を読み終えたあと再び解説を読み返した。王側から見たフランス革命と議会国民側から見たフランス革命を読み理解した上でもう一度、この省察を読み返した。難しい本ですがさまざまな立場からフランス革命を見ることは勉強になります。これからもフランス人の物事の考え方や歴史を学ビたい。2021/08/30