出版社内容情報
A.ハミルトン[ハミルトン,A.(アレグザンダー)]
著・文・その他
J.ジェイ[ジェイ,J.(ジョン)]
著・文・その他
斎藤 眞[サイトウ マコト]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロキです
16
アメリカの合衆国憲法が何故必要であるのか、それを明記すべきかについて仔細に論じた本。 他には合衆国大統領の任期についてや大統領の役割、州と国の区分、共和国についてのことについて論じられている。 アメリカの現在の政治について詳しく知れるだけでなく今回は政治の中での憲法の必要性について深く考えさせられる名著であると思う。2019/10/13
Francis
13
これも10数年ぶりに再読。アメリカ合衆国憲法の制定に携わったハミルトン、ジェイ、マディソンが憲法原案に対する批判に反論する形で合衆国憲法の原理とその長所を述べたもの。連邦制、三権分立、両院制、大統領制、裁判官終身制などが主な論点。彼らの主張は現代でも十分通用するほど優れていると思う。世界最初の成文憲法制定の過程でこのような質の高い議論が行われていたことに驚きを禁じ得ない。2017/12/05
Hiroshi
9
独立したアメリカの13州は連合規約により同盟を結んでいたが、英仏両大国に対抗する為などから全国的政府の樹立の必要が主張され、連邦憲法草案が作成された。ザ・フェデラリストは、A.ハミルトンとJ.マディソンとJ.ジェイがニューヨーク州に連邦憲法草案を批准するよう説得するために新聞上に発表した計85篇の論文である。政治哲学と実践的政治に関して米国で書かれた著作の中でも最も重要な作品である。本書は、政治の古典としてよく引用され引照される各篇と、現代政治理解に示唆を与えると思われる各篇、計31篇を選び和訳したもの。2020/10/26
日の光と暁の藍
8
連邦制のメリットを様々な論点で述べているが、個人的に興味を惹かれたのは、派閥(党派)について述べられた第10篇。派閥は人間の本性と財産が不平等に配分されていることにより生じる。そのことがもたらすのは、様々な利益を代弁する者たちの利害の衝突であり、人々の諸階層への分断である、と。マディソンは、原因そのものはなくならず、出来ることは、そのもたらす悪い結果の抑制だけであると述べる。少数者の陰謀を一致団結した多数派により抑制する必要がある、と。当たり前でありながらなされていない民主主義の精神的態度を指摘している。2020/12/26
ナン
7
外交や通商、軍事の部分は飛ばして内政に関する部分をざっと読み。アメリカの連邦制度が、多数派、直接民主主義に対する疑念や警戒、そもそも人間の判断は間違うこともあるという前提で制度設計されていることがわかった。その前提は正しいと思うのだが、それらを踏まえて作られたはずの合衆国憲法下での現在のアメリカ政治のあり様を、建国の偉人たちが見たら何を思うだろうか。アメリカ政治史を勉強の上、再読し、理解を深めたい。2020/10/04