出版社内容情報
イギリスの代表的なプラトン研究者R.S.ブラック(一九一九―六三)が,プラトンの生涯をたどり(第一部),各著作の中心問題を概説する(第二部).プラトン研究を志す人びとの手引きとしての水準を維持しながら,「ギリシア語は知らなくともギリシア哲学に関心を持っているような人びとすべて」に向けて書かれた,定評のある入門書.
内容説明
イギリスの古典学者・哲学者ブラックがプラトンの生涯をたどり、各著作の中心問題を概説、巻末にプラトンの「第七書簡」を付す。研究者を志す人びとの手引きとしての水準を保ちつつ、「ギリシア哲学に関心を持つ人びとすべて」に向けて書かれた、定評ある入門書。
目次
若きプラトン
アカデメイアの設立・第一回ディオニュシオス二世訪問
三回目のシケリア島訪問
晩年
初期対話篇
イデア論の起源
「饗宴」「パイドン」「国家」「パイドロス」
「パルメニデス」以降の後期著作
プラトン「第七書簡」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
esop
77
プラトンの著作のおおまかな解説や重要と考える書簡を通して、プラトンの生涯と思想がわかりやすく書かれているプラトン入門書、という位置付けの本作。 イギリスのRSブラックさん、短命でありながらも、鋭い感性で、ギリシア哲学を紐解いた方、らしい。 入門書でありながら、やや小難しい。 本気で哲学を学びたい人には打ってつけかもしれないが、 素人が手を出すと痛い目をみる(わたしのように) 本著を通じて、プラトンの作品に興味が出て、手に取りたくなる。 パイドン、もう一度チャレンジしてみたくなったよ。2025/07/05
fishdeleuze
22
第一部は伝記、第二部は著作の概説、そして第七書簡を付す。プラトン哲学における知の重要性―欲望や感情の流れを知性の通路へ導くことで、魂全体を純粋な混じりけのないものにすること(それはわれわれには可能である)―は、世界における神の意図ないし神の計画を確信していたことによる。プラトンの哲学における神的なものへの憧憬・熱望は、キリスト教における恩寵・啓示と対比をなす。そのためプラトンの哲学では、知によるアセンションによってイデアと同化することが重要になる。なんとストイック。2013/03/12
Ex libris 毒餃子
12
プラトンの生涯から思想、著作までを簡潔に網羅した入門書。日本語の入門書とプラトンの著作を何冊か触れてから、これを読むと整理されるような気がします。2021/06/06
Gokkey
12
本書で語られる「イデア論の起源」が興味深い。プラトンが哲学的体系の作成を試みており、その体系化のきっかけを師ソクラテスによる「定義」への願望に求める。美や正義について定義を与えること≒永遠に同一であるという事の証明であり、これはイオニア自然哲学が質料間の生成・変化による様々な存在形態を認める立場と反するものである。一方でピュタゴラス派の魂不死説から、真に実在するものはそもそもこの世界には存在せず、真実在の似像でしかないという考えを導き出したとし、ここにイデアの原型を求める。2020/11/12
糸くず
10
第二部第2章の「イデア論の起源」が特に面白い。著者によれば、プラトンがイデア論を生み出すにあたって大きな影響を与えたのがヘラクレイトスの流転説とピタゴラス派の「魂の不死」説である。つまり、万物は流転し、この世には永続的なものも真の実在も存在しない。正義も敬虔も習慣上の物事でしかない。しかし、永遠の実在を確信していたプラトンは、真の実在の居場所を地上ではなく輪廻転生する魂の世界に求め、この世にあるものは真の実在すなわちイデアの似像なのだとした。目が覚めるような解釈だと思う。2021/04/20
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