岩波文庫
衣服哲学

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 410p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003366813
  • NDC分類 934
  • Cコード C0110

出版社内容情報

本書の原名サーター・リザータスとは「仕立直された仕立屋」という意味である.ドイツの大学教授,トイフェルスドレック氏の「衣服論」を抄訳する形式がとられている.難解であるが,一面半自叙伝であり,著者(1795‐1831)の辛苦時代を描き,精神的の煩悶と大悟を語り,他面人生宇宙を論じ,また時代精神に対する批評である.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gotoran

45
新渡戸稲造が愛読したという『衣服哲学』(サーター・リザータス)。架空の独人大学教師トイフェルスドレックの思想を、その伝記を語るという体裁で展開し、著者(カーライル)が編集・補足するという形で、カーライルの思想が語られる。宇宙を永遠の精神が纏う一つの衣服と見做し、その譬で地球上の全ての説明を試みる(聖書、ゲーテ、ルソー、シェイクスピア、ミルトン等を自在に引用して)。旧字体かつ文語調で与し難く、読了にかなりの時間を要した。通読の域を出ず。まずは、前記の引用に当たってからの精読か。2015/09/06

壱萬参仟縁

37
貧乏人は小さい車付ベッドの中に縮こまるか、ひもじさに慄(ふる)へながら藁の臥所(ふしど)にはひる(33頁)。手は常に心の神秘的なる作用によつて指導される。個人てふ美しき建物が建てられるべき地所であり材料(52頁)。衣服の第一目的は保温、礼儀でなく、装飾であった(57頁)。衣服は我等に個性を、差別を、社会組織を与へた。衣服は我等を人間とした(59頁)。如何に多くのものが前掛けで隠され、如何に多くのものが前掛けで護られたことであらう!(63頁)社会は服地の上に建設されていゐる(75頁)。 2016/06/21

戸田健太朗

6
古い訳、旧字体、癖のある文構成と凶悪な本。聖書、ゲーテ、ルソー、シェイクスピアまでは良かったけどミルトンを読んでなかったのが残念。日本人には厳しい。読みづらい旧字体の古い解説でも「読みづらい本だ」とあったのには参った。もちろん最後まで読んだけど、ちょっと太刀打ちできませんでした。「言葉は銀、沈黙は金」だけでも読めたので良しとしよう。読み返すかどうかは不明。復刊は嬉しいけど、そろそろ改訂版出しても良いのでは……。カーライルなんて日本で需要ないのか……。2011/07/23

大村秀樹

4
読了。良著だった。 科学が発展し神が宇宙の外の存在となった時代、功利主義的な思想の流行へ批判を加え、霊的・精神的な観念や宗教的なものへの評価を架空の哲学者の口を通し語った作品である。多々目を引くような巧緻な表現があったが、完全に理解するまでには至らなかった。能力不足を感じる。 いずれもう一度読んでみたいものだ。2018/06/13

かん

3
難解かつ旧漢も相まって読むのに苦労するけど、一読するのに価値ある本。2009/04/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/31682
  • ご注意事項

最近チェックした商品