出版社内容情報
これみよがしのおべっか使いが相手なら話は単純だ.本当に厄介なのは,見え透いたやり口は使わずにすり寄ってくる連中である.ではどうすればこの手合いを真の友人から見分けられるか? こう説き起してプルタルコスは彼らの手口のあの手この手を実例をあげて紹介する.よく人間を知る者ならではの観察眼がひかるエッセイ四篇.
内容説明
これみよがしのおべっか使いが相手なら話は単純だ。本当に厄介なのは、見え透いたやり口は使わずにすり寄ってくる連中である。ではどうすればこの手合いを真の友人から見分けられるか?こう説き起こしてプルタルコスは彼らの手口のあの手この手を実例をあげて紹介する。よく人間を知る者ならではの観察眼がひかるエッセイ4篇。
目次
似て非なる友について
健康のしるべ
怒らないことについて
爽快な気分について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
19
見え透いた手を使わずに追従してくる者たちを様々な例を駆使して紹介しています。現代でも成り立つ話が多く、また読みやすい訳であるため面白かったです。2022/06/10
paluko
8
表題作のほかに「健康のしるべ」「怒らないことについて」「爽快な気分について」を収録。「フレネミー」なる概念も、自己啓発というかメンタル・健康指南本なものも、20【世紀】も前から存在していたんだなと思うと、まさに「日の下に新しきものなし」。「出される料理に添えるソースもいろいろあるが、いちばんおいしいのは何かというと、こっちの体が健康で、清浄無垢の時に出されるソースさ」(129頁)。2025/04/09
ハルバル
7
プルタルコスの考え方は「怒らないことについて」、「爽快な気分について」を読むとかなりストア派に近いなと思った。感情を理性によって抑制し、中庸を尊ぶ。現代にも通じる考え方が随所にあって為になる…と言いたいが、様々な逸話に絡めるうちに主題がどこかに言ってしまう、あいかわらず語りたがりなプルタルコスが好きだ。追従者のつくような権力のない自分には無縁だが、おべっか使いってやっぱりいつの時代にもいるんだな(笑)2015/04/25
うちこ
6
身近な人々について主体的に理解するために、読んでよかった。これまでモヤッとしか捉えられていなかった、人生を豊かにしてくれる「友」の定義が見えてくるすばらしい指南書でした。 大切なのは、友人のようで友人ではない存在を見分けること。 端的にいうと「似て非なる友」は、自分がうまくいっていないときに寄り添ってきて、頑張らない方向へ促してくれる存在。この本では「追従者」「へつらい屋」と表現されています。2024/07/22
Rickey.S
5
似たものを区別して認識する技法なのかなとか最初は思ってた自分(笑)これは関わりの浅墓な人間と、親友あるいは現代的にいう心友とは…という人付き合いに関してのもの。