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岩波文庫
キリスト教の本質 〈下〉 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 383,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003363324
  • NDC分類 191
  • Cコード C0116

出版社内容情報

十九世紀初頭のドイツは,青年ヘーゲル派の騒々しい哲学論議に沸きたっていた.この空しい喧騒の陰に,ひっそりと生み落された本書は,独自の人間学に拠ってキリスト教自体に即して,宗教における人間疎外を暴露し,キリスト教的世界観を根底から覆えした.殆んど唯一の理論的達成であり,唯物論・無神論への大道を開いた.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

11
誰かに欠けてるものを援助したり治療する瞬間に「君はその人にとってネ申」と語るフォイエルバッハの考えによれば、欠点や弱点をもつ個々の人間は、相手に対して互いにそれぞれが降臨するネ申。それに比べると全知全能の唯一神の振る舞いは「この災難、悲惨が酷いから浄福を一層感じられるんだよ!」と地上に困苦を降り注がせ、人々の苦しみとこれを救済できる自分の慈悲に興奮する自作自演サディストのよう。しかし神学がキリスト教の矛盾を、思考不可能ゆえに人知を超えた領域として表象させた、と議論。ここにはニーチェもある。マルクスもある。2018/08/10

CCC

8
翻訳のせいで読みにくいのではないか、と疑惑を抱いたがそれはさておき。これは実質、キリスト教徒に愛は分からん、って言ってるよなあと思う。信仰と愛の相剋。キリストへの信仰に無限の価値を見出せば、有限のもの、つまり現世はすべて切り捨てられる些事となる。その世界に愛はない。行き着く先は修羅道である。無限の信仰が存在しないことが救いだ。と、なんだか独自解釈めいた感じになってしまった気がするが、そうしないとそのまま引用になりそうなので仕方ないね。しょうがない。「王様は裸」を論証したい、そんな心意気を感じた本だった。2019/02/18

井蛙

2
キリスト教は個別者キリストへの愛以外を排撃する。信仰とは排除のことである。信仰と愛は本来相容れない。それゆえに神へと疎外された本質が類としての人間の本質であることを知らねばならない。これによって個別者キリストへの愛は普遍者キリストへの愛へと止揚される。それは人類こそが普遍者であると知ること、人類を愛すること、真の共同体が実現されることを意味するだろう。2017/11/12

カールステンセン

0
キリスト教の本質について抉り出した本で、マルクスやニーチェに大きな影響を与えた本。ニーチェが何であんな思想を持つようになったのかずっと疑問だったのですが、この本を読んで大きなヒントが与えられた様な気がします。作者の洞察の鋭さにはっとさせられました。ルターやアウグスティヌスを引っ張り出してキリスト教の本質を看破していくのは読んでいて心地良かったです。2020/04/15

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