出版社内容情報
『プロレゴーメナ』を書き終えてから十年の間に発表した彼の歴史哲学に関する小論文四編.そこでは「啓蒙とは何か? 」を始め,人類の究極の目的とは何か?各人の自己の分に応じて人類の進歩につくすことがいかに大切であるか? 等を簡明に説きつつ,当時の宗教政策に対して痛烈な批判を加える.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
43
人と動物とを分けるものは何か、人の普遍性。原文も難解なドイツ語だということだが、日本語でもじゅうぶん骨が折れた。2016/04/02
藤月はな(灯れ松明の火)
31
初めてのカント著作でしたが心配を他所に読みやすいのでびっくりしました。カントの思想で有名な、「損失を被りたくないから行動する」の己の利益重視の仮言令法ではなく、「せなければならぬ」という道徳的な動機を目標にする定言令法で成立する義務論、世界平和のための後の国連へ繋がる機関の考察、己の自由意志による行動の責任性、ルソーの公益の利益を目指す一般意志=法を守ることで自分も保証できることなどがぎゅっと濃縮されています。2013/07/11
逆丸カツハ
28
カントはやっぱり素晴らしいな。自分はクソヤローだけど、世界平和だけは本当に祈っているよ。2024/08/08
Ex libris 毒餃子
13
『永遠平和のために』に近い内容の論文があります。また、道徳哲学を端的に論じたものもあったので、難しい短論文もありますが哲学の本で最初に読むにはちょうど良いかもと思いました。2024/05/13
恋愛爆弾
12
「万物の終り」にある「自然的な終り」が人類補完計画にしか見えないことを自己批判します。2021/03/13