内容説明
ルソーが言語の起源と本質を論じた著作。言語の本質とは情念の表現にあり、もとは言語と音楽の起源は同一であったという。言語の起源と変遷、諸言語の地理的差異、音楽の起源、旋律、和声の原理と歴史が分析され、南方と北方の言語の抑揚の相違、言語の現状が言語の変遷といかに関係しているかなどが論じられる。
目次
われわれの考えを伝えるためのさまざまな方法について
ことばの最初の発明は欲求に由来するのではなく、情念に由来するということ
最初の言語は比喩的なものだったにちがいないということ
最初の言語の特徴的性質、およびその言語がこうむったはずの変化について
文字表記について
ホメロスが文字を書けた可能性が高いかどうか
近代の韻律法について
諸言語の起源における一般的および地域的差異
南方の諸言語の形成
北方の諸言語の形成
この差異についての考察
音楽の起源
旋律について
和声について
われわれの最も強烈な感覚はしばしば精神的な印象によって作用するということ
色と音の間の誤った類似性
みずからの芸術にとって有害な音楽家たちの誤り
ギリシャ人たちの音楽体系はわれわれのものとは無関係であったこと
どのようにして音楽は退廃したか
言語と政体の関係