出版社内容情報
ロックにはじまる人間精神の経済的分析の方法を徹底的におしすすめたヒューム(1711‐1776)の主要著作.人間の本性を明らかにすることによって「諸学の完全な体系」を与えることを目的として書かれた本書は知性論,情緒論,道徳論を含み,従来の形而上学的観念や神学的な倫理学に大胆な批判を加え,地上的人間の見地に立つ哲学の建設を試みたもの.
内容説明
ロックに学んだ人間精神の探求を単に知性の領域にとどめずに、ニュートン自然学の実験的方法を採り入れて、人性の全般を論ずる。
目次
第1部 観念・その起源・構成・抽象・結合などに就いて
第2部 時空観念に就いて
第3部 絶対的知識と蓋然的知識とに就いて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
逆丸カツハ
43
うーん、ヒュームはエラいな。情報の世界には因果関係ははじめからなく、すべてが再構成されなければならないから、ある意味正しいことを述べているのだろうな。ヒュームの考え方は情報理論の考え方に近いように思う。情報理論はある状態が発生する確率を問題として、それがなぜ起こったのか、という理由は問わない。それはある状態から他の状態への隣接と継起、その起こりやすさを表現している。それはヒュームの因果関係の捉え方に似ている。ヒュームは情報の世界の認識論の端緒を開いた人なのかもしれない。2024/12/06
ppp
1
規則、格率を中心に。その人為的根拠を特に注意深く読む。2012/10/25
karatte
1
『実験的論究方法を精神上の主題に導入する一つの企てである』人性論の第一篇「知性に就いて」が収められている。2009/11/21
ppp
0
必然的結合、関係、印象の論理を中心に。必然的結合が関係、印象の両方の意味を含むのが難点で、何とか解釈したいところ。2014/02/22
ppp
0
印象と観念の差異の導入、関係の観念について。ヒュームは関係の観念に対してかなり曖昧なので、かなり注意して議論を組み立てたい。2014/02/14
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