岩波文庫<br> エラスムス=トマス・モア往復書簡

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岩波文庫
エラスムス=トマス・モア往復書簡

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  • サイズ 文庫判/ページ数 442,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003361238
  • NDC分類 132.6
  • Cコード C0122

出版社内容情報

固い友情に結ばれた北方ルネサンスの二大巨星の交遊録に、一六世紀ヨーロッパの政局、社会、知識人の精神風景を読む。

内容説明

『痴愚神礼讃』のエラスムスと『ユートピア』のトマス・モア―。その固い友情がのちに伝説化されるまでになった二人の往復書簡全五十通に、十六世紀ヨーロッパにおける知識人の交流・活動の様子や政局を読む。ルネサンスと宗教改革を内側から語る貴重な証言。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はるわか

16
一司祭の私生児として生まれ身寄りなくロッテルダムからほぼひとりで人生を切り開かねばならなかったエラスムス、ロンドンの名家に生まれエリート教育を受けて育ったトマス・モア。北方ルネサンスの二大巨星と仰がれることになる二人はヨーロッパ文学史上に語り草となる固い友情で結ばれた。「宗教改革」の動乱の中で二人は予想外のきわめて皮肉な境遇に追い込まれる。エラスムスは新旧両派から十字砲火を浴び攻撃され、モアは悲劇的な最期を迎える。二大巨星の交友は1499年に始まり、1535年のモアの斬首に終わる。エラスムスも翌年逝去。2018/12/09

Francis

13
「ユートピア」の著者と「痴愚神礼賛」の著者である二人の人文主義者の書簡。人文主義者同士の書簡、さぞ高邁なことが書いてあるのかと思いきや、他人に対する厳しい批判、愚痴などかなり俗的な事が書かれているのは人文主義者と言えどもごく普通の人間なのだなあ、と思った。エラスムスの論敵に対する厳しい批判は当時彼のおかれた複雑な状況をよく伝えてくれる。そして最後のモアからエラスムスの書簡にはモアの墓碑銘が添付されており、モアの死の覚悟がうかがえる。まもなくモアは刑死し、一年後エラスムスも亡くなる。2017/12/27

ラウリスタ~

9
表紙の右がエラスムスで、左の青髯がモア。エラスムスの方が九つほど年上だけれども、お互いへの尊敬の思いが感じられる往復書簡。モアが誰かにキレて論争を拡大させようとするとエラスムスが、「まああいつも僕の友達だから」と押しとどめ、エラスムスがぶちギレるとこんどはモアが・・・ってパターンが多い。ヨーロッパを股にかけた巨星同士の頭脳戦というよりも、教会でも大学でも宮廷でも、どこであっても敵を作ってはトラブルになる二人の、遠くにいる心の友への愚痴って感じ。もちろん二人ともラテン語、エラスムスの方が上手いらしい。2015/07/20

roughfractus02

7
オランダの私生児とイングランドのエリート。出自も言語も異なる2人はラテン語で書簡を交わした。本書は、ルネサンスを担う人文主義者と呼ばれた2人がカトリックとプロテスタントが争う宗教改革の時代に投げ込まれる様を、風刺的な笑いと真摯な批判の大きな振幅の中に日々の生活を伝え合う身近な私事の描写や些細な愚痴を挟みつつ伝える。新旧宗派に与しないエラスムスと旧派に信を置くモアは、宗教間と国家内の争いの中でも何にも属さない共通理念としての人間を掲げ続けた。そのゆえに一方は孤立し、他方は斬首されてこの書簡の往復は途絶える。2022/05/12

シンドバッド

5
高田康成のあとがきにある通り、沓掛良彦のラテン語からの日本語への流暢な訳に大喝采です。 この往復書簡は、辛辣なところもあり、書簡集の魅力満載。2015/09/26

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