出版社内容情報
『老年について』の姉妹篇として書かれた対話篇.古代ローマの政治家で賢者の誉れ高いラエリウスが,無二の親友小スキーピオーの死後まもなく,二人の女婿を前にして友情について語る.友情論の古典.新訳.
内容説明
『老年について』の姉妹篇として書かれた対話篇。古代ローマの政治家で賢者の誉れ高いラエリウスが、無二の親友であった小スキーピオーを喪った動揺さめやらぬ中で、二人の女婿を前にして、友情について語る。友情論の古典の新訳。
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸にゃん太
55
キケローの純粋で熱い友情論が書かれており、真友論と言えるだろう。友情は人生の至高であるが、真の友情は徳の上に成り立ち、まず身に付けるべきは徳だと言う。次に徳ある友を石橋を叩いて渡るほど慎重に選ぶ、なぜなら徳は悪事を退け互いに高め合いながら幸福を生む上に、徳への信頼は永続的友情の基盤だからであり、真の友情は敬愛と畏怖がある。また時には敢然と苦すぎない忠告と敬意を持った叱責を行い、逆の場合は間違いを悲しみ正されることを喜ぶべきである。そして友が受け取れるだけの愛を与える。友情は順境を輝かせ逆境を軽減する。2015/05/19
ヒロキです
21
(老年について)で気に入った為今回もキケローの姉妹作となる(友情について)を完読。 友情は見返りや報酬を求めるものでなく、徳の重要さが説かれていた。また死後肉体と魂は分離して神のもとに戻って永生を得るというストア派のギリシャの伝統的な考え方も展開されていた。 今回は「老年について」が主題の提示ー主題の分類ー結論という明確な構造だったのに対し、今回は友情だけでなく死についてもある程度混ざってて読みにくかった。キケローを読むなら個人的には「老年について」の方が面白かった。2020/04/20
Y_Michiari
14
この本を書いた時期が、カエサル暗殺後らしい。と言う訳で、登場人物は、小スキピオを偲ぶ面々であるが、これはキケロの作劇である。「友情について」本文は、84ページに過ぎず、残りの半分は注訳と解説に割かれているが、本書が著された背景を探るには、すべてを読んだ方が宜しいと考える。友情と人脈の違いなど、実践的倫理を述べているので、ヘタな自己啓発本を読むぐらいならコッチを読んでおけよと言いたい。2016/12/07
ホームズ
13
ギリシアやローマの神話を題材にした話は好きだけどこういった作品はあまり読んだことが無かった。「友情について」語るラエリウス。分かりやすく面白かったですね。小スキピオの死の直後って事はまだポエニ戦争の記憶も生々しいのかな?ハンニバルは許せないらしいし(笑)もう少し時代背景を理解出来ればもっと楽しめたかな(笑)2012/05/28
吟遊
12
雄弁な本。弁論術のキケロって感じかな?2018/11/30
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