• ポイントキャンペーン

岩波文庫
法律〈上〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 490p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003360200
  • NDC分類 131.3
  • Cコード C0110

出版社内容情報

対話の舞台は地中海クレテ島.ゼウスの社への参詣の道すがら,「アテナイからの客人」ら三人が国制と法律について論じる.最善の国家についての理念を提示した『国家』に対し,本書では「現実にあるべき国家」の具体的な法律・制度全般について自由で大胆な提案を行う.プラトン(前四二七―三四七)最晩年の著作で最大の長篇.

内容説明

対話の舞台は地中海クレテ島。ゼウスの社への参詣の道すがら、「アテナイからの客人」ら三人が国制と法律について論じる。最善の国家についての理念を提示した『国家』に対し、本書では「現実にあるべき国家」の具体的な法律・制度全般について自由で大胆な提案を行う。プラトン最晩年の著作で、最大の長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

122
原理的考察に留まった『国家』に対して時間的・歴史的記述の形を採った本書は、植民都市国家建設を前提としたより具体性のある内容。必然的に『国家』と共通する議題も多く、飛んだり戻ったりと迂遠な進行も散見。法律観と密接に絡んだ徳論は全篇の基調をなし、登場しないはずのソクラテスの影を十分に感じさせる。著者にとって知性による支配こそが最善で法は次善という位置付け。クレテやスパルタを参考に君主制と民主制を混合した国制論や法律の序文追加が画期的。また、最良の教育法は説教よりも実践というくだりに本書の執筆動機の根源を見る。2022/10/16

壱萬参仟縁

34
訳注で気になったのは、「盲目の富」(38、400頁)。富は「善きもの」であるが、善きものであれば、善きものの同族である善き人に向かうはずである。アテナイからの客人:ひとが法律について考察をめぐらすとき、そのほとんどすべては、国家の場合と個人の性格の場合とを問わず、快楽と苦痛のことで占められています。快楽と苦痛の水を、しかるべき所から、しかるべき時に、しかるべき分量だけ汲みとる者は、ひとしく幸福になる。そのわきまえなしに、しかるべき時にはずれて汲みとる者は、幸福に反する仕かたで暮らすことになる(51頁)。2018/06/01

CCC

13
プラトン流「ぼくのかんがえたりそうのこっか」といったところか。『国家』よりも国家像が分かりやすく、具体的だった気がした。ただその国家像は、時代を考慮してもなお偏狭に感じる。結婚を「お国のため」のものにしようとしたり、音楽のミクスチャー化を阻止しようとしたり、なにかと管理しようとしすぎなのだ。女性や奴隷への蔑視も、ここまできつかったかな、と思うような典型例になっている。もしかすると、哲人政治が引っ込んで法治主義っぽさが前に出た分、身分秩序を強く肯定する必要が出て、個人差を認める部分が薄らいだのかもしれない。2018/11/28

いとう・しんご

10
解説によると本書はプラトンの絶筆を弟子達が整理したものらしいです。なるほど文体は生煮えだし、構成にも冗長なところがあったり、話しが途切れていたり、未定稿であることを強く伺わせますが、同時に、いわば執筆するプラトンの肩越しに読み進めるような感覚も味わうことが出来ましたし、プラトンの執拗なこだわりも感じました。彼が神の存在を強く主張する背景には、自らの高貴な出自とそれゆえの優越性を根拠づける意図があったのではないか、日々の暮らしにあくせくしている庶民とは違うんだ、という意識が強かったんだろうなと思いました。2024/06/17

chanvesa

9
披露宴は男女各々から5人の出席者までとか、結婚後10年経って子供のいない夫婦は離縁しろとか、小言幸兵衛的なパターナリズム、原始共産主義的な内容についていけない。しかしそれだけでなく、やはりこれまでのプラトンの本に比べてたくさんの論点をぶちまけたまとまりのなさにくたびれる。哲人政治は、政治の一面しか解決できないのかもしれない。その一面を具体的に何とは言えないけれど、人間的な、という言葉に関係する何かが欠落していることのような気がする。2014/03/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6072
  • ご注意事項

最近チェックした商品