岩波文庫<br> インカ帝国史

  • ポイントキャンペーン

岩波文庫
インカ帝国史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 423,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003348819
  • NDC分類 268
  • Cコード C0122

内容説明

帝国滅亡直後の旧インカ領を兵士として広く歩いた著者(一五二一頃‐五四)は、四部からなる浩瀚な記録『インカ記』を執筆。本書はその第二部にあたり、各地の首長や住民たちから自ら集めた口述資料をもとに、この大帝国の驚異の文明と人間ドラマを活写する。

目次

インカが知られる以前の状態について、この国のインディオが語るところ、および、丘のうえに砦があり、彼らがそこから出ては互いに戦ったことについて
これらの原住民たちが、ティシビラコチャについて述べていること、またある者たちは、ひとりの使徒がこの地方を通ったと信じていること、およびカチャにある神殿と、そこで起こったこと、などについて
パカレク・タンプで何人かの男女が突然に出現し、そこから出てのちにおこなったことがらについての言い伝え
ふたりのきょうだいが、タンプ・キルに滞在していたとき、洞穴に押しこめた者が、羽毛の翼をつけてあらわれるのを見たこと。そしてその者が、大クスコ市を建設するためにおもむけ、と彼らに言ったので、タンプ・キルから出発したこと
マンコ・カパックは、きょうだいたちが石と化したのを見てから、とある盆地に来り、そこにいくつかの部族を見出した。そして、彼の手で、インカ帝国全土の首都である、財宝ゆたかな古き都クスコが創設され、築かれた
本書においては、著者が、歴代の王についての叙述から離れ、それら王たちのおこなった政治、彼らの間におこなわれた慣習などについて述べたいと思った理由について記す
王が王国の房飾りをつけたあとで、その女きょうだいのコヤと結婚したこと。コヤとは王妃のこと。また、王が多くの女を持つことを許されていたこと。ただし、女たちの中で、そのコヤだけが正妻であり、もっとも重きをおかれていたこと
インカ人の間の習いとして、勇敢であり、王国をひろめ、その他、記憶するに価することをなしたインカについては、歌や塑像にその思い出をのこしたこと。また、優柔不断で臆病な者については、そのような配慮をしないよう命令されていたこと〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雲をみるひと

7
スペイン人によるインカ帝国征服からさほど時を経ない時期に書かれた記録の訳本。インカ人からの伝聞形式で内容としてはインカの風習、慣習、歴代王のプロフィールなどが含まれる。読み物として面白いかはなんとも言えないが資料としての価値は高くインカに対する好奇心を刺激する書物。2020/06/19

壱萬弐仟縁

2
仮説だが、プレートテクトニクスによって徐々に太平洋岸が隆起し、標高が上がった。だから、マチュピチュのような都市国家もできたんでは、と素人判断している。いろいろな遺跡があるので、どのように帝国があったときにできたのか、謎が多い地域だと改めて思う。解説によると、著者は食人が行われている地域がある一方、ペルーでは住民は温和で、従順で、礼儀正しい(412ページ)というので、同じ大陸でもこうも文化、風習が違うとは驚きなことである。よほどのことがない限り、この地域には行かないと思うが、謎の多い地域とわかっただけで良。2012/12/21

あまたあるほし

1
道が狭い首都クスコ。2022/02/16

氷雨@exice

0
インカ史四部の第二部。インカ神話、インカ帝国勃興からワスカルとアタワルパの内紛まで。スペイン人兵士として3年ペルーに滞在した著者は内乱と外憂で衰退するインカ帝国にも残リ続ける秩序と規律からかつてのインカ帝国に崇敬の念を抱く。伝聞の知識から地誌制度文化歴史を精緻に扱う。経験なキリスト教徒として太陽信仰を異教と断じる一方で駅伝制度、絶対王政、統治機構などに優れ「異教にありながら優れた統治をなした文明」として語られ、神の名を借りて私欲のために虐殺略奪を尽くすスペイン人を対照化している。ニ部以降は翻訳未完。2011/11/30

yanapong

0
スペインに征服される直前までの、インカ12代の歴史。【図書館】2010/07/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/62481
  • ご注意事項