出版社内容情報
フランス最初の王朝メロヴィング朝(五〇〇―七五一)のクロタール一世の死から,その第三子キルペリクの死にいたるまでの王族間の血で血を洗う抗争,陰謀や暗殺等の史実を興味深いエピソードをまじえながら描きだした歴史物語.ミシュレ等とともに一九世紀フランスを代表する歴史家である著者(一七九五―一八五六)の代表作.本邦初訳.
内容説明
グレゴリウス『フランク史』を主な典拠として書かれたこの作品は、歴史と文学的説話との統合に成功したものとして、刊行当時より好評を博し、歴史家として最高の栄誉であるゴベール大賞を受賞した。フランス最初の王朝の歴史を生き生きと伝え、古代から封建制へと移行してゆく時代の様相を明らかにした名著。
感想・レビュー
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mahiro
11
下巻は逃亡奴隷の身からトゥールの市伯になったレウダスティスの波瀾万丈、権力闘争、悪辣非道の生涯と最後・・キルベルク一世と王妃フレデグンドの悪業の生涯と作者のひいき?らしい司教グレゴリウスが国王達とやりあって何とか無事だった事などか書かれている。この時代大人しい善人は生き残れなかったようだ。中世になりフランス王国が形成される頃になっても残虐さは余り変わらない気がする。日本では聖徳太子の時代の辺り、比べても仕方ないが権力闘争も大陸的執拗さ残酷さが少なめだ。フレデグンドの血筋がメロヴィング朝をつなぐのか・・2020/04/05