出版社内容情報
二世紀後半,ギリシア全土の山間僻地まで精力的に取材して記した詳細な案内記.巧みに設定した順路に沿って名所旧跡を案内し,そこに伝わる行事,宝物,ゆかりの神話を語る.他の文献にはない伝承を数多く伝えており,現代の旅行者にとっても秀抜な旅行案内であると同時に,古代ギリシア研究に不可欠な基本資料である.
内容説明
2世紀に書かれた古代ギリシア旅行案内書。本巻では、コリントを振り出しにアルゴリス地方(原書第2巻)、フォキス地方(同第10巻)を案内、コリントでは王女メデイアの古伝を語り、ミケネ遺跡では獅子門をくぐりアガメムノンの墓を尋ねる。
目次
第2巻 コリント、アルゴリス(コリントの名称由来と現状;コリント地峡(イストモス)
ポセイドンの聖所
外港レカイオンとケンクレアイ ほか)
第10巻 フォキス(フォキス史;パノペウス;ダウリス;ダウリスからデルフォイまで ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
刳森伸一
2
下巻の本書には、原書第2巻のアルゴリス地方と原書第10巻のフォキス地方を収録。アルゴリス地方は短めのエピソードが多いが、フォキス地方の案内では、デルフォイを中心に重厚なエピソードもあり読み応えがある。いつか本書を参考にしながらギリシア遺跡を回りたい。2015/07/06
壱萬参仟縁
2
表紙にあるように、『古代への情熱』のシュリーマンが本著で発掘の動機となっているのが驚きだ。50ページの写真にあるように、シキュオンの劇場は目を引く。舞台の遺構で、どんな劇を演じていたのか、と思うと想像力が必要に思える。注記によると天然岩盤を掘ったものらしい(347ページ)。地域資源を活かして外国からの観光客を呼んで演じてチケット代金を収入にできたのなら、経済危機にならなかったのかもしれない。やはり、出てくる遺跡などを現代でも見物して歩くには、それなりに案内人が重要となるが、観光で経済再興を図るのが重要か。2012/12/21
mahiro
1
二世紀後半の著者がギリシアを旅して書いた案内記 例えばアテネなどは城門や聖所や立ち並ぶ彫像の謂われなど細かく説明していて、読むだけで当時のアテネに行ったような気持になる。 彼が訪れた時にはすでに廃墟になっていたものも含め、多くの物は今は目にする事は出来ないが、当時を知る為の貴重な資料だと思う。 ギリシアにこの本を持って行き、彼が訪れた街や神殿の廃墟に立って往事を偲んで見たい。 そうまではいかなくてもギリシアの地図を広げ、本を再読しながら地名を辿るのも楽しいだろう。 又似たような人名が2012/01/31
てり
0
面白い。本文を読みながらグーグルマップであれこれ探しつつ写真など見ていくのが楽しい。「この道でオイディプスが誤って父親を....」とか、デルフォイのアポロンの聖所とか、全部写真で見れちゃうんだなぁ、全くいい時代だ。2022/12/09
astrokt2
0
未レビュー2009/05/30