出版社内容情報
古代朝鮮の二大史書である『三国史記』『三国遺事』にみえる倭・日本関係の記事をはじめ,七支刀・広開土王(好太王)碑・高仙寺誓幢和上塔碑に記されている倭・日本関係の銘文等古代日本に関する朝鮮史料を一書に集めた基本史料集.丁寧な訳注を付した読み下し文,現代語訳に加えて,巻末に原文(影印)・年表・参考文献を付した.
内容説明
古代朝鮮の二大史書である『三国史記』『三国遺事』にみえる倭・日本関係の記事をはじめ、七支刀・広開土王(好太王)碑・高仙寺誓幢和上塔碑に記されている倭・日本関係の銘文等古代日本に関する朝鮮史料を一書に集めた基本史料集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
23
日本という国名が出たり、卑弥呼が記載されていたり興味深い話は多いですが、抜粋なのでぶつ切り感もあります。倭がかなり侵攻しています。古代において半島と九州は親戚みたいなものという話を思い出しました。2025/02/16
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇵🇸🇾🇪🇱🇧🇨🇺
8
再読。12世紀に成立した朝鮮半島最古の歴史書で、倭・日本関係だけを抜粋編集したもの。訳注、現代語訳、原文、年表と言う構成。まずは訳注から読もう。訳注内に引用されている文が返り点付の白文なので読むのが大変だ。 史料としては『三国史記』『三国遺事』『七支刀銘文』『広開土王碑文抄』『高仙寺誓幡和上塔碑文抄』で、特に後の三つが重要。 邪馬壹(台)国論争に対しては前の二書は中国正史ほど重要ではない。時代が下っていることもあるが、卑弥呼が来聘したのをA.D.173としている辺り、資料としての信頼性に疑問がある。→続く2022/04/21
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇵🇸🇾🇪🇱🇧🇨🇺
5
12世紀に成立した朝鮮半島最古の歴史書から、倭国関係記事を抜粋したもの。書き下し文、現代語訳、原文と揃っている。朝鮮半島を統一した新羅によるため、そうした史観であると踏まえて読む必要がある。『日本書紀』との対比をすることでより史実に近づくことが出来るが、8世紀と12世紀という年代差、さらには本書の史料と想定される中国史書が遥かに古いこともあって評価は難しい。当時から倭寇が散々朝鮮半島沿岸を略奪し、国家規模の被害を出していた。また、百済や新羅が倭国に人質を差し出すなど、朝鮮側に不名誉な記事は信用できる。
ソルト佐藤
3
積ん読本。たまたま、手にとって読んでしまう。薄いのもありますが、書き下し文、現代語文、原文なので、実質、さらに3分の1(笑 紀伝体からの抜き書きなので、長い話があるわけではなく。特に、高句麗の話はほとんどない。新羅、百済の話もほとんどは倭人が襲ってきた、か、倭人に人質を出した話ばかり(笑 地理的も高句麗以外は、そういった力関係だったのだなと思って面白い。それでも、堤上が己の身を捨てて、美海を逃がす挿話は激しく、美しい。倭王に何度問われても、自分は新羅の臣だといいつづけて殺されるシーンは壮絶。2020/06/13
壱萬参仟縁
3
後半の付録は重要な史料となっている。111ページ~の現代語訳を読まないと、門外漢はわからない。「倭人が国境を侵犯した。伊伐飡(さん)の利音を派遣し、軍隊を率いて、これを防がせた」(113ページ)とある。昨夜のNHK「新政権に問う」特番では安保で結構タカ派のコメントに違和感を持ったが、古代でも現代でも侵略はダメだと思う。「倭国が、四号を改めて日本と号した。みずから日の出る所に近いので、国名としたのであると言っている」(119ページ)。古代の興亡と現代の違いはあるとしても、隣国との関係はより重要なのは不変か。2012/12/23