出版社内容情報
近代日本の開国の立役者ペルリ提督は「日米和親条約」を結んだが,真の通商条約はハリス(1804‐1878)によって締結された.本書は一介の商人であったハリスが,にわか仕立ての外交官となり,単身江戸に乗込んで以来,攘夷の白刃の下をくぐりながら,逞ましい気魄と,比類なき外交手腕をもって開国の難事業をなしとげるまでの2年余の日記.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
駄目男
2
苦心惨憺、読み終わったが、どうもこの本は学術的色彩が強い日記で一般向けではない。しかし、そうは言っても凡そハリスが日本の国状に対する見解や人となりは理解できたと思う。さしずめハリスはこんなことを書いているが。一見して幸福そうに暮らしている庶民を見て「私は時として、日本を開国して外国の影響をうけさせることが、果たしてこの人々の普遍的な幸福を増進する所以であるか、どうか、疑わしくなる」太平の眠りから覚めた日本を待っていたのは攘夷派と佐幕派の熾烈な争い。結果的に近代日本へ向かうにしては余りにも大きな代償でした。2017/09/29
isao_key
2
ハリスとと日本の間で、日米修好通商条約までの様子が描かれている。残念なことに、日記が途中で終わってしまっていて肝心な批准のときの様子がわからない。幕末の日本とアメリカの条約に関するやり取りと知る上での貴重な資料。2012/05/23