出版社内容情報
ロシアの海軍士官ゴロヴニン(1776‐1831)は,千島南部測量の命を受け,1811年にエトロフ,クナシリに寄港して松前藩にとらわれ,2年3カ月にわたって抑留された.本書はこの間の興味ある記録で,当時の日本の風俗,習慣,宗教,社会,政治等の実状をよく伝える.早くに世界各国語に翻訳され,日本でも文政8(1825)年に紹介された.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
isao_key
8
中巻は松島の家から脱走を試みるも、結局失敗して再び捕らえられるところから、ディアナ号副艦長リコルドが高田屋嘉兵衛と引き換えにゴローニン以下7名を取り戻し、1814年7月12日にペテルブルグに到着するところで終わる。実質この巻で日記は終わっており、下巻は日本及び日本人についてとリコルドの日本沿岸航海手記が収められている。読む前はタイトルとイメージからかなりひどい扱いを受けたのだと思っていたが、実際は役人は概ね紳士的で待遇も悪くなかった。また帰国の際には心から喜んでくれた様子に涙の出るほど感動を受けたと記す。2014/04/01
なちょす
4
脱走から帰国まで怒涛のような展開に息つく暇もない。熊次郎→クマジェロ、福松→フォグ・マツセと西洋風に解釈されているのが個人的にツボだった。始まりはどうであれ、ゴロヴニンたちと日本の役人たちの間に温かな友情が築かれたのは間違いない。日本はこの頃からめんどくさい国だったんだな・・。2018/05/25
mun54
1
やっとロシアに帰れた。よかった。下巻に続く。2012/07/09
莉野
1
図書館閲覧のみの奴をやっと読めた〜!最後は、よくやったゴロウニン!!と思った。2年もよく頑張った!と彼とその部下たちを讃えたい。旧漢字で本も古いものだが読みやすく、逃走シーンはハラハラし、ロシアにいつ帰れるんだろうか、と一喜一憂した。しかし西洋人からみた江戸期日本って我が国ながらなかなか不可解だ…!でも西洋の視点からの当時江戸の様子はかなり面白く読めた。当時の資料とか残ってないんかなーさらに知識意欲が広がる一冊。2009/04/18