岩波文庫<br> 歴史の理論と歴史

岩波文庫
歴史の理論と歴史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 378,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003341810
  • NDC分類 201
  • Cコード C0120

出版社内容情報

本書は彼(1866‐1952)の「精神の科学としての哲学」の第4巻,美学,論理学,経済学,倫理学の結論として発表された.ヘーゲル,ニーチェ,ディルタイの歴史観の発展として生の実践的立場に基づいた歴史的理解の観点から,論攷をすすめてゆく.「すべての歴史は現代の歴史であると考えられる現代性にある」という著者の理論こそもっとも独特なもの.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

15
「すべての眞の歴史は現代の歴史である」(p.17)で有名な本。現代の自分史を書いている箇所があり、「われわれにとって小さい歴史を完全に知ることは可能であるか。われわれの國土、郷里、家族その他の歴史といわず、われ一身の自身の最も小さい歴史は、これを完全に知ることができるか」(p.70)との問いだ。現代では、自費出版もできるので、できる、と答えたい。2012/04/15

やまやま

10
確かに平泉澄氏が激賞するのもぼんやりですが何となく了解できました。例えば、実証主義の歴史叙述の章の一部ですが、歴史家が実際に好んで取り扱う材料は、特殊ではあるが充分な正確さを持って研究しうる国民的歴史であり、普遍世界史の代わりに諸国家また諸国民の歴史の集合を考えることが傾向である、とされます。これは先んじるロマンティシズムの歴史叙述の章で、歴史哲学者たちは哲学的歴史と話術的歴史が区別されるのを嫌い、二つの歴史を調和させて想像演繹によって得られる図式に事実を適合させようとすることへの批判と対になっています。2020/10/21

てれまこし

8
「すべての真の歴史は現代の(同時代の)歴史である」。この有名な命題は無意識・下意識という世紀末以来の思想を文脈としてる。史料は死んだ素材にすぎず、それを生きた歴史に構成するのは歴史を書く者の思想である。クローチェは、文献学的実証史学と観念論的歴史哲学の双方に対して戦線を張ってる。断片的な事実を構成する規準をもたない実証史学は、実は超越的観念を裏口から無意識に持ち込んでる。これに対してクローチェは、精神が歴史のうちに自らの内在的発展を反省することが歴史であると主張する。だから歴史と哲学は同じものになる。2022/08/17

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