出版社内容情報
歴史家ランケが政治の面で収穫したもっとも成熟した果実といわれる「政治問答」「歴史と政治との類似及び相違について」の2篇を収める.フランス革命後の自由・保守の理論の対立激しい当時,ランケは歴史家の立場から,この両論を批判し,歴史的実在への沈潜の必要性を説き,このような理論に立脚する政治の危険を警告した.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
6
ランケの政治観はどうもプロテスタンティズムに関係してる。プロテスタントが業よりも信仰、形式よりも実体、善行よりも精神を重視するように、ランケは国家の体制よりもその精神を重視する。民主制だろうが君主制だろうが各々の民族精神の表現として容認する。精神は神と直結してていて死んだモノを動かす生命そのもの。それを外的な制約なしに発展させることが神の意図である。プロテスタントがローマ教会から独立したように、一つの理念によって纏められた民族が外国からの支配や影響を脱ぎ捨てて、その独自の精神を展開していくのが政治の本質。2021/01/03
かむかむレモン
0
★★★★。2012/09/20