出版社内容情報
『法句経』の名で知られる「真理のことば」(ダンマパダ)も,併収の「感興のことば」(ウダーナヴァルガ)も,ブッダの教えを集めたもので,人間そのものへの深い反省や生活の指針が,風格ある簡潔な句に表わされている.「ウダーナヴァルガ」とは,ブッダが感興をおぼえた時,ふと口にした言葉集の意味で,初めての完訳.
内容説明
『法句経』の名で知られる「真理のことば」(ダンマパダ)も、併収の「感興のことば」(ウダーナヴァルガ)も、ブッダの教えを集めたもので、人間そのものへの深い反省や生活の指針が風格ある簡潔な句に表わされている。「ウダーナヴァルガ」とは、ブッダが感興をおぼえた時、ふと口にした言葉集というほどの意味で、本訳は世界でも初めての完訳。
目次
真理のことば(ダンマパダ)
感興のことば(ウダーナヴァルガ)
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
111
世界の一般教養であるとさえ云われている仏陀。やっぱり素晴らしかった。「あなたはあなた自身のものですらない」に度肝を抜かれ、その説明が「あらゆるものは依存して存在している。単独で存在しているのではない」というのは、もはや哲学を超えているんじゃないかと思いました。2024/12/23
HANA
65
『ダンマパダ』と『ウダーナヴァルガ』の邦訳。輪廻からの解脱、苦からの解放という教えは他の原始仏教経典と共通しているのだが、他の様々な経典、例えば『スッタニパータ』や『テーラガータ』等と比べると、こちらが教えとして整備されている気がする。その点素朴な感動みたいなものは薄れているようにも思えるけど。それでも日常様々な事に煩わされている時、少しでも読めばほっとする言葉が多い。「ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によって作り出される。もしも汚れた心で話したり行ったりするならば、苦しみはその人に付き従う」2025/05/08
姉勤
47
怒りを捨て、欲を捨て、自分を捨て、心を捨て、やがて人であることを捨てる。人が集団化し、家畜、農耕を経て、都市を造り、富と情報を蓄積、政治が萌芽すれば、権力、武力紛争を生み出す。その「社会」というシステムがあったからこそ、孕み、産まれた、宗教や哲学。システムの奴隷になることを否定しつつ、そのシステムが維持されなければ存在できないジレンマ。仮に、全ての人間が菩薩を目指せば、数代を継ぐことなく多分人類は滅びるだろう。究極の頂を目指すのではなく、絶妙のバランスを目指す。2021/03/09
イプシロン
40
本書に収録されている経典『ダンマパダ』『ウダーナヴァルガ』は韻文形式であるので、他の仏典より読みやすくわかりやすい。しかし、仏教用語でいう「方便」=比喩を的確に読みとる必要がある。――善悪。仏教でいう善悪は仏道修行を妨げるものが悪であり、仏道修行に向かわせるものが善である。世俗一般でいう善悪と異なる読み方が必要である。善行をすると天へ、悪行をすると地獄へとは、死後のことではない。僅かな悪であっても積み重なれば無意識な習慣となり、直すのが困難になるといった意味である。また、瞑想により身体感覚を高めていれば、2020/10/06
Willie the Wildcat
36
諸行無常、一切皆苦、そして諸法非我の道。究極は「愛執」。愛故の”激流”との対峙。矛盾が矛盾を生じ、心を掻き乱す。多感による無感への道。心の過ちにも通ずる・・・。念いのための孤独。捨てることから見出す真理。日々問う姿勢、そして日々振り返る姿勢に光。煩悩、自身に向き合うことで、そこに”何か”を感じることを大切にしたいと改めて思う。「至道無難」とは甚だ遠いが、これも現在の私自身である・・・。(汗)2015/06/13