出版社内容情報
勧学篇に始まり堯問篇に終る荀子の全思想の記録.彼は性悪説を主張するが,その説くところによれば,人間は放任すれば乱れるからその悪である性を矯正し,世の混乱を防ぐために伝統的な教,即ち「礼」を学ぶことが必要であるという.原文読み下しと口語訳とを併せ,その思想を広く一般に理解できるようにした.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ロビン
16
下巻には所謂「性悪説」のもとになった文が載っており、荀子は孟子の「性善説」を批判しているが、君子を目指して修練していこうという点で両者は軌を一にしていると思う。荀子は、論理学あり心理学ありだが、非常に現実的で、占いや迷信を排し、後天的人為、自己教育の努力を強調して、「天」の存在を説かない点で特徴的であり、儒家の系譜にあるとはいえ異質である。「まことの君子としての人物を好きな人はやはり君子になれる人である」「路傍市井のふつう人でもだれでも禹のような聖人になれる可能性がある」との言葉に励まされた。2025/02/13
記憶喪失した男
14
星が落ち、木が鳴るのは天地陰陽のまれに起こることであり、それに恐怖するのはまちがっているとある。ニーチェの「神は死んだ」も中国ではすでに荀子がいっていることなのかもしれない。下巻189ページから性悪説についての記述がある。 2017/03/23
roughfractus02
11
個々人の学びを勧める上巻から王の資質へと議論が移る本巻は、彊国篇から堯問篇までの17篇を収め、自然の「法」を排し、「天」の地位に比類なき「天子」が位置する統治の「法」へと移行する。堯舜の「禅譲」は自らの能力と比べる者がいる時点で王となる者の行いではないとする著者は、一方で個人を生来「欲」があるゆえに競い合いと争いを起こす者と捉え、政治を「刑」を中心に据えて個人を善へ向かわせる性悪説を展開する。個々人を欲望を単位とした傾向性と捉えることが、リスクを回避する法権力の形成に必須であることが手に取るようにわかる。2025/10/26
wiki
9
「居の隠(くるし)まざる者は思うこと遠からず、身の佚(す)てられざる者は志広がらず」(305p)、と。それぞれ読み切った結果、孟子は理想論から立脚して引き上げるような論調であったのに対し、荀子は現実論からボトムアップするかのような論であった。いずれが実際に進みやすいか、といえば、好みにもよる(読者のストイックさにもよる)であろうが、より多くは荀子の方が実践しやすいのではないか。私個人は性は善であるか、悪であるかという二元論には与しないが、己心の悪の存在を認めている為に、論には人間味を感じるように思う。2024/03/09
CCC
9
性悪説で漠然としたイメージがあったが、それががらがらと崩れる。なんと楽観的なのだろう。学べば立派になれるという考え方なのは分かっていたが、これほどまでにそれを信じていたとは。学へのとてつもない信頼が感じられる。個人的には墨子、孫子批判、それから差別に関する考え方部分が興味深かった。差別がなければルールも壊れる。皆が分をわきまえれば問題など起きない、と。昔の人の考えのようで、まったくそうではない話だ。2017/03/05
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