出版社内容情報
ほんものの教育をしたいという願いから,社会科を手がかりに生活綴方の指導をおこなった山形県山元村中学校の教師,無着成恭(一九二七―)が,その成果をまとめた詩・作文集(一九五一年刊).いまなお読む者の心を強く打たずにはおかない克明でひたむきな生活記録.戦後の教育に大きな影響を与えた. (解説 国分一太郎・鶴見和子)
内容説明
ほんものの教育をしたいという願いから、社会科を手がかりにして、生活綴方の指導をおこなった山形県山元村中学校の教師、無着成恭(1927‐)が、その成果をまとめた詩・作文集(1951年刊)。いまなお読む者の心を強く打たずにはおかない克明でひたむきな生活記録。戦後の教育に大きな影響を与えた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ころりんぱ
54
学生時代に知っていたけど、読まなかった本。戦後の山村の中学生の作文集。無着先生の生活綴方の実践は教育史の中では有名ですが、なんといっても昔の本、今を生きる者にとっては生活様式や環境そのものが全く違うわけです。それでも、この生徒たちの作品に驚きと感動を感じるのは、より良く生きるためにはどうすれば良いかという究極の問いに生徒たちが真摯に立ち向かっているからです。この生徒たちの育んだ生きる力に心の底から拍手を贈りたいし、心ある先生や仲間との出会いを羨ましくも思いました。最後の答辞では堪えきれず涙が出ました。2015/05/18
まさ
38
いまから70年程前の山形県の中学生の生活記録。大学生の頃に読んでいたが、久しぶりに文庫版で読み返してみた。日々の生活すらままならない状況ではあるが、抱える問題に真正面から向き合う。それを綴り方(作文)を通して書き記し、自分なりの答えを見つけていく。書くことで考えるし気づく。だれかに導いてもらうのでなく、自分の問いに自分で答える。だからこそ逞しくなるのだろう。2021/01/03
きいち
37
ウソ何これ!これこそ本物の、理想のキャリア教育やないか、60年前の実践が、こんなに現代性を持っているなんて、凄すぎる。◇経験を広げて、よく観察する。振り返って、集まった素材を皆に伝わるよう構成して、書く。発表して、討論の上で、次の行動につなげる。だから、書いたものは、生徒一人ひとり全然違う。そうやって、「仕方ない」というあきらめから抜け出した43人の生徒たち。本当に勉強が楽しかった、これからも続けていく、という生徒代表・藤三郎くんの卒業式の答辞に目頭が熱くなる。◇文字にすることの意義深さ。外の世界への窓。2014/05/02
gtn
33
無着成恭が戦後中学校教師として、山村の生徒に、生活苦と格闘する自らの姿を表現する方法を伝授し、それを全国に発信した功績は尊い。だが、生徒の思いは複雑。そのまま無著先生への思慕に繋がっていない場合もある。一つ気になるのが、無著先生の教師時代の写真と近影が作り笑いであること。2023/09/21
荒野の狼
29
1935-36年生まれの山形県山元中学校2年生の全員の作文と担任教師の無着成恭のあとがきからなる1950年の作品。多くの生徒は戦死者が家族におり、貧しさ故に学校を休んで家業に従事しても診療費や教育費が払えなかったり、食にも困るような時代背景。その中にあって若い無着先生は “いつも力を合わせて行こう。陰でこそこそしないで行こう。いいことを進んで実行しよう。働くことが一番好きになろう。何でも、なぜ?と考える人になろう。いつでも、もっといい方法がないか、探そう”と言って、生徒に“集団的な意識を育てて“いきます。2010/01/17
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