出版社内容情報
前近代的なものや大衆芸術を否定的媒介としてモダニズムをこえる方法を模索,鋭い歴史意識をもって批評活動をおこなった花田清輝(一九〇九―七四)の柔軟な思考スタイルは,その文体の魅力とあいまって今日も読む者を刺激しつづけている.「仮面の表情」「物体主義」「柳田国男について」「美味救世」など批評の面白さを満喫できる二十九篇.
内容説明
前近代的なものや大衆芸術を否定的媒介としてモダニズムをこえる方法を模索、鋭い歴史意識をもって批評活動をおこなった花田清輝の柔軟な思考スタイルは、その文体の魅力とあいまって今日も読む者を刺激しつづけている。「仮面の表情」「物体主義」「柳田国男について」「美味救世」など批評の面白さを満喫できる29篇を収録。
目次
太刀先の見切り
二つの焦点
沙漠について
仮面の表情
座談会とサロン
物体主義
林檎に関する一考察
マリリン・モンロウ論
二十年代の「アヴァンギャルド」
ママー人形の涙〔ほか〕
1 ~ 1件/全1件
- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
19
虚無に見えるものをただの虚無と見なさず、その中にある創造的なものを躍動的な文体で切り開かんとした「砂漠について」が傑作。一ヶ所にとどまることなく自由闊達に展開し、観念には肉体を、高級には通俗を対置させその土台を皮肉たっぷりに揺さぶりながら、そうした運動により近代を問い直そうとする軽妙にして射程の長い文章で見ていて飽きない。異質なものを媒介として持ってきて、突拍子もない話を進めるのだが、それが芸達者で読み終わると騙されて納得したような気にすらなるのである。正しい意味で文「芸」をしている2015/03/20
ハチアカデミー
10
C+ 安部公房にとって、花田清輝が創作の源泉となっていたことは、「砂漠について」「仮面の表情」などの論文を紐解けば明らかであり、コウボリアンとしては必読の一冊。であるのだが、むしろ本書を読むと、花田氏がずば抜けた反射神経の持ち主であったことがよくわかる。綿密にロジックを組み立てるのではなく、思いつきや類推によって、物事を日常とは異なる視点から描く。しかも、その思いつきが核心に迫る打率が高いのだから、凡百の研究者・文筆家にとっては嫌な奴であっただろう。何か結論があるわけではなく、放言ともいえる文体を堪能。2012/10/01
NICK
9
イヤミな感じの文章を書く批評家といえば小林秀雄や蓮実重彦が思い浮かぶのだが、どうやらそこに花田清輝の名を追加しなければならないようだ。「太刀先の見切り」でイヤミったらしく小林秀雄を批判するあたりに性格の悪さが見える。とはいえ、「近代の超克」といった「近代」的風潮を思想的反動に過ぎないと断じ、紋切り型の表現をことごとくくさし、語る対象それ自体の歴史的、批評的考察を重視するスタイルは読み応えがある。おそらく花田の関心は「表現」また表現を可能にする「メディア」にあったのではないか。2015/01/29
amanon
5
取り上げられている文学者の大半が未知の人であるため、理解の程は甚だ怪しいがその文体に何か惹かれるものがあって、思いの外サクサク読み進めることに。いみじくも解説に「『内容』からよりも文体から入る方がよい」的なことが述べているのに納得。それと同時に、福岡市出身でありながら、ときにべらんめえ口調で文章を綴るのに「この人はおそらく福岡というルーツを断ち切ったんだろうな」という一抹の感慨を覚えた。それと色々な人に毒舌ともいえるようは批判を放っているが、あまり嫌味に感じないのも印象的。他の作品も読んでみるかな。2025/11/09
格
4
時事に関する評論は正直ピンと来ないけれども、全体的に「好き勝手言っとるな~」という印象ではある。ただ、その好き勝手に言ってることというのが、どうやら適当なでたらめではないらしい、というところは、同時代人にとっては厄介だったのではないか、という気もする。個人的には「沙漠について」「仮面の表情」「物体主義」辺りを面白く読んだ。2021/07/16
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- 和書
- 北京 タビトモ




