出版社内容情報
一九四五年八月,広島・長崎に投下された原爆による災害は,史上かつてない惨事として,四十五年たった今日もなお深い爪あとをのこしている.自らも広島で被爆した編者が平和教育のために編集した広島の少年少女達の真率な原爆体験記は,エスペラントをはじめ十数カ国語に翻訳され,全世界に感銘をよんだ.希有の記録.
内容説明
1945年8月、広島・長崎に投下された原爆による災害は、史上かつてない惨事として、45年たった今日もなお深い爪あとをのことしている。自らも広島で被爆した編者が平和教育のために編集した広島の少年少女達の真率な原爆体験記は、エスペラントをはじめ十数カ国語に翻訳され、全世界に感銘をよんだ。希有の記録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリータ
11
◆下巻には高校1年(当時小学4年)~大学生(当時中学生)の文章を収録。大学生ともなればさすがの筆力(末尾の宮田哲男の文章など)。◆本書やルポ(山代巴編書)、原爆災害の概説書、あるいは戦災孤児に関するものなどを読んで思ったのは、肉体的な健康被害の悲惨さや、その実態を訴えたり補償を求めたりすることの困難さ・尊さとともに、被災体験を通じて心理的被害を受けた人が数えきれないほどいたであろうこと、特にそれが子どもの人生に一時的・永続的に影響を与えたであろうことの深刻さ。直野章子著に言及があるので確認したい。2021/11/03
ぱせり
8
原爆の恐ろしさ、残酷さ、人々の忘れやすさ。それとともに、忘れられないこと。たぶん自分の命を救うことだけでもせいいっぱいだったはずのあの日あの時の地獄のなかで、多くの人たちが、他の人たちとともに助かろうとしていたこと、他人を救おうとしていたことが、印象に残ります。私たちの時代は、こういう人たちに礎を築かれたのでした。2010/11/23
壱萬参仟縁
6
解説によると著者も血だらけになって瀕死を彷徨って生き残られた(248頁)。生地獄と称する英貢君(9頁)。原爆は見えるが、(線量計があるとはいえ)放射能は見えにくい。ここが大きな原子力の昔と今の違いなのかもしれない。原爆投下が人体実験とするなら、今の原発放射能も同様に思える。閃光、きのこ雲、火傷、残酷、無残、悲惨、無力、不安、地獄・・・。他にどう形容しろというのか。痛いー、水をくれ、いのちをくれ、生きさせてほしい、と渇望して逝ってしまったのだ。家族を呼ぶ叫び声。子どもがよく、惨状を勇気をもって記してくれた。2013/04/21
あくび
4
こんな恐ろしい事が我が日本の話だなんて。2018/08/30
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
3
1945年8月6日に広島に投下された原子爆弾に被爆した少年少女の106編の記録集。2018/10/05