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岩波文庫
黒船前後・志士と経済 他十六篇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 266p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003315316
  • NDC分類 210.58
  • Cコード C0120

出版社内容情報

明治維新史の研究で知られる著者の歴史随想集.幕末から明治へ至る激動の時代を主題としたエッセイを精選し一書に編んだ.その広い視野と自由な発想,ユニークな視点は,洒脱な語り口と相まって,読者に歴史の面白さを十二分に満喫させてくれるだろう.歴史は史料でなく着想から始まることを教える一冊. (解説 奈良本辰也)

内容説明

明治維新史研究で知られる著者(1901‐56)の歴史随想集。名篇「黒船前後」以下、幕末から明治へ至る激動の時代をめぐるエッセイを精選した。その広い視野と自由な発想、ユニークな視点は、洒脱な語り口と相まって、読者に歴史の面白さを十二分に満喫させてくれるとともに、歴史は史料でなく着想から始まることを教えてくれるだろう。

目次

黒船前後
せいばい
黒船来航
汽船が太平洋を横断するまで
咸臨丸その他
撥陵遠征隊
空罎
尊攘戦略史
新撰組
蓮月焼
志士と経済
福沢諭吉
Moods cashey
武鑑譜
明治五十銭銀貨
黒田清隆の方針
加波山
望郷―北海道初行脚

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

63
日本から世界を見た開国の話は良く読むが、こちら世界から日本を見た開国の話である。黒船で開国されたようにまずこちら、船の進化と船史について詳述から始まる。そして幕末外交史の本質は通商だと著者は言う。開国を迫る船はイギリスではなく、なぜアメリカだったのか。。日本の幕末史と共に描かれる世界のアジア進攻制覇計画。当然日本も狙われた側。歴史とは言え、我が国の危機の話を楽しむようで心苦しいが、その先進国同士の競いあいがとても面白い!2015/08/12

毒兎真暗ミサ【副長】

14
【青空文庫】十六篇のうちの「新選組」について 読了。昭和9年の作品ですが、分析めいていて好みの作品でした。2022/11/06

紙狸

14
筆者は1956年に死去した歴史家。この岩波文庫(1981年刊行)は、幕末・明治維新に関連したエッセーを編んだもの。ユニークな目のつけどころ、データを重視する学者らしさ、肩のこらない語り口が特徴。その一例が「蒸気船」の話。蒸気で動く黒船が日本の眠りをさました19世紀の半ばでも、世界の海運を見れば、鉄製の帆船がまだまだがんばっていた。「臭い煙を吐く蒸気船」に茶や果物をつむと品質がそこなわれるという偏見がはたらいていたという。2022/01/03

うえ

7
「日本を開いたのは米国だったが、横浜の外国人植民地は「上海をモデルにして」作られ、商業のうえでも武力のうえでも英国が断然リードしていた。1859年から68年までに横浜にできた外国人商館85のうち51までが英国(米9、仏7、プロシャ7)。長崎においても大体同様だった。攘夷事件によって国交の危機が迫った文久三年の輸出入額についてみても、総輸入額の78%は英国旗の下に…行われている。…英国公使オールコックは本国政府の対日策と日本の実情に基づいた…長崎領事館方面から申告される政策との矛盾にくるしんだふうに見える」2020/06/19

Akihiro Nishio

7
オムニバスであるが興味深い話しが多かった。戦中から戦後にかけての歴史家が江戸から明治への変遷を、主に英米の競争、蒸気機関の進歩、貨幣に質など様々な視点から考察したものである。中でも一番面白いのが表題にもなっている「黒船前後」。木造船VS鉄板船、帆船VS蒸気船の対立軸から輸送ルート、輸送価格、必要な補給港を導きだし、なぜアメリカが当時日本に開国を迫ったかが語られる。後になってわかることだとは理解しつつも、当時こうした国際事情を理解できていればもっと違う歴史を歩めていたはずなのにと思ってしまう。2015/12/15

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