岩波文庫<br> 漱石詩注

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岩波文庫
漱石詩注

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  • サイズ 文庫判/ページ数 354p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003315224
  • NDC分類 919.6
  • Cコード C0192

出版社内容情報

漢詩が,殊に簡潔で締まった句が好きだ,といっていた漱石は,折々に漢詩を書き,『明暗』執筆の半ばからはそれを日課とした.その160余首に,中国文学者が丹念な注釈を加え,漱石の思想遍歴の跡を描き出す.

内容説明

漢詩が、殊に簡潔で締まった句が好きだ、といっていた漱石は、みずからも折々に漢詩を書き、『明暗』執筆なかばからの百日間はそれを日課とした。漢詩は小説と同じく漱石の思想の表現である、と評した中国文学者が、学生時代から死の直前までに作られた170首余に注釈を加え、その思想遍歴の跡を描き出す。詩句索引付き。

目次

漱石詩注 第1(山路に楓を観る(明治二十二年十一月)
函山雑咏 八首(明治二十三年九月) ほか)
漱石詩注 第2(無題(明治四十三年七月三十一日)
無題(明治四十三年九月二十日) ほか)
漱石詩注 第3(無題(大正五年八月十四日夜)
無題(八月十五日) ほか)
漱石詩集拾遺訳注(鴻台二首;画に題す ほか)
付録(「木屑録」より十四首;自画に題す)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うぴー

4
正直なところ漢詩としての芸術性はよく分からなかったものの、中国詩や故事に対する造詣の深さや、ただ典故を用いるのみならず部分的にアレンジを加えることで新たな表現として用いている点に、漢詩に関する漱石のこだわりや、表現方法の一つとして果たす役割の大きさがうかがえた。2022/11/30

零水亭

2
(元の新書版、数首増補した文庫版、両方読みました。家庭の事情で手放してしまいましたが…) 正岡子規が生きていた頃の詩には子規からの辛口の寸評が加えられています。読み始めた頃は「なんだコイツ?」と思っていましたが、今考えると、友情あっての辛口コメントだったのでしょう。羨ましく思います。最近は死の間際まで七言律詩(本職の漢詩人にさえ作りにくいとされます)を何故毎日作り続けたのか、私、気になります! 和訳は付いてなかったと思いますが、吉川先生が「偉大な日本人の詩に和訳を付けるのは失礼」と考えたのでしょうか?2019/08/01

sukham

2
編者の吉川幸次郎曰く、「…先生〔夏目漱石のこと〕の漢語は、その語法についていえば、きわめて正確である。いわゆる日本漢文、日本漢詩では、断じてない。中国人で先生の詩を激賞するものがある…」さらりと評している。しかしながら、これは瞠目すべきこと。非母語・外国語で創作した文学作品として、当該の言語を母語とする人達に「激賞」されるとは!!管見によれば、日本語を母語とする人で匹敵する方は多和田葉子さん(のみ)か。漱石の生きた時代から平成時代に至る100年程の期間に限定しても。漱石・明治・漢学のおそるべき底力に感服。2019/12/10

Haruka Fukuhara

2
漱石の文学は次々と新しい試みが見られて同一人物とは思えないほどだが、その裏にはこの漢詩集に見られるような膨大な教養があったのだろう。手元にあるのは1967年初版の新書版だが、この内容が新書になって広く読まれたというのはすごい時代だと思う。そうした教養の割にその時代に育った人々が取り立てて仰ぎ見るような存在とも思われないのが不思議だが。2017/01/17

深川路

1
死に直面して解ったこと、感じたことが綴られている修善寺の大患後の漢詩(漱石詩注 第二)が一番、私には興味深く読めました。2011/04/05

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