岩波文庫
古代国語の音韻に就いて - 他二篇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 190p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003315118
  • NDC分類 811.1
  • Cコード C0181

出版社内容情報

奈良時代には現代よりはるかに多くの音が言い分け,聴き分けられていた.万葉仮名に整然たる使い分けがあるのはその反映である.表題作は「上代特殊仮名遣」の発見者自らが発見のプロセスをたどりつつその学問的意義を平易明晰に語った記念すべき講演記録.他に「駒のいななき」「国語音韻の変遷」を収める. (解説 大野 晋)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

双海(ふたみ)

9
所々引用されている、石塚龍麿が気になりました。調べてみよう。2014/07/03

5
「古代国語の音韻に就いて」はまずは身近なところから説き起こし、契沖や宣長、石塚龍麿ら国語学史もまとめているので非常に面白い。現在四十四の発音が古代では八十八音であったと結論し、古典研究への応用例も述べる。発音では古代パ行→奈良から室町ファ行(ワ行に通用)→江戸以後ハ行という変遷が面白い。神は上に由来するという宣長の説は、ミの仮名が全く別類なので誤りだとの指摘が一番心に残った。「国語音韻の変遷」は概ね同じことを三期に分けてやや詳述。「駒のいななき」は馬の鳴き声がイからヒンヒンに変化したことの考察。2022/07/30

9

3
昔の人はどんな発音だったかという番組を見たことがあって興味があり、青空文庫ということもあって読んでみた。講演を文字におこしたもので、私のような門外漢でもこれでもかってほど噛み砕いた文章で分かりやすい。この場合、発音は当時の古代中国語で考えなければならないけれど、同じ音で2種類の区別があるというのは、無声音や有声音みたいな違いだったのだろうかと思ったりした。2014/07/04

もみじ

2
私は専門家ではないので、戦前のものであるこの議論が現代においてどの程度通用するかは知らないが、読み物としては大変面白く読めた。「い」と「ゐ」などの一見してわかりやすいものから現代では文字上での区別さえ失われた子音まで、古代国語における音韻を万葉仮名の使い分けを基に解き明かして行く過程は爽快でさえある。現代では日常語と同じ文字で書かれ、同じ音で読まれる文章の中に、いかに豊穣で奥深い世界が広がっているかという事を思うと、古典を読むときの心持ちが変わってくるような気がする。2021/01/16

浦和みかん

2
かつてから平安期(以前)の日本語の発音について知りたいと思っていた。本書は最適書である。特に面白かったいくつかの事柄は、かつて「キ」や「ケ」などの音には二通りの発音があったこと、四段活用の已然形と命令形の発音は異なっていたこと、ハ行の発音はp音であったこと、などである。しかも、単に発音に関する事柄だけではなく、仮名遣いや語の成立にも関わっているから、尚のこと興味深いのである。2020/06/15

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