出版社内容情報
日露戦争を前に,世をおおう主戦論の流れに抗して敢然と反戦の叫びをあげた堺・幸徳の「万朝報退社の辞」.それが少年荒畑の生涯を決定した.『自伝』は,社会主義運動の生き証人ともいうべき著者が,その思想的遍歴,運動史上の曲折,波瀾にみちた人生を,自他を欺くことなく記したものであり,現代史への一証言である.
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京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
i-miya
17
2012.07.08(つづき)荒畑寒村著。 2012.07.03 (空想少年の生い立ち、つづき) 土地をもらい損ねた父、50円、板囲いする金がなく、断念。 賭け碁でもうけた金。 私は、財閥に生まれなくて済んだ。 ドッコイドッコイという大道ルーレット屋にまでなりさがった父。 母の反対で、女郎屋はあきらめた父、しかし、妓桜に入れる仕出し屋をやることで妥協。 水を、小便だと強弁する私、折れた母。 私が悪いとあやまる母。
壱萬参仟縁
12
1887-1921年。学校で得意であったのは読み方、嫌いだったのは算術(42頁)。社会科は? と思う。キリスト教の信仰(58頁~)。クリスマスの5円ボーナスで『透谷全集』、『藤村詩集』とを買い、清新高級な文学に接した(66頁)。週刊『平民新聞』(81頁~)。自由、平等、博愛。堺利彦氏がモリス『ニュース・フロム・ノーホエア』を抄訳(85頁)。「戦争の苦痛は国民をして普通選挙の必要を自覚せしめたが、帝国主義の大敵はすわなち実に普通選挙」(149頁)。都知事選投票率は5割いかない。これでは戦争のリスクが高まる。2014/02/10
denz
3
初期社会主義者の当事者の、管野スガに惹かれた青年の記録。2010/11/30
kamakura
1
下巻は面白くないので、上巻の覚書。青雲の志という言葉がピタリとくる寒村さんの若き日々。海軍工廠の職工見習いとして弁当を食ってたら、包み紙は「万朝報」、その非戦論者堺利彦・幸徳秋水の退社の辞を読んで「火花」の衝撃を受けた。それが一歩目であった。そこからの寒村さんの行動また行動は、下獄の際、姉さん女房で同志でもあった管野須賀子が秋水のもとへ去った事件も含めてダイナミックかつ情感に満ちたもの。山本宣治もそうだが、大河ドラマ化が可能な劇的な人生だ。(NHKで、否、今のテレビでそんな度胸を持つ局はないであろうが。)2012/04/15
tatubuu
1
寒村の足跡が日本の社会主義運動の通史になっており非常に興味を持って読めた。有名な社会主義者がほぼ出てくる。 感想:http://tatubuu.livedoor.blog/archives/22557836.html2020/04/29